冷凍食品News

「世界ブランドへ躍進」(王亞倫社長) 台湾の冷食トップメーカー桂冠實業、屏東に保税機能を持った第三工場建設中


台湾から届いた冷凍食品業界ニュース。台湾の冷凍食品業界ナンバーワン企業、桂冠實業股份有限公司(台北市、王亞倫社長)は3月30日、台湾南部の屏東・農業科学パーク内に建設中の「桂冠第三工場」の棟上げ式を現地で執り行いました。完成は2024年4月、同6月までに稼働予定です。

完成予想図の通り生産棟は5階建てですが、桂冠ブランドの冷凍食品を生産する工場は1階(卵餃子、チーズおもち、水饅頭)、2階(電子レンジ調理商品:パスタ、米飯など)。上層階は、国内外企業とのコラボレーション事業を計画します。というのも新工場は保税機能を持ち、海外向けに、例えば日本企業なら日本国内工場より優位に諸外国へ輸出する製品を生産することができます。もちろん、台湾マーケットで人気の日本仕様(日式)商品をトップメーカー桂冠が持つ販売ネットワークにのせることも可能というメリットも提供できるとのこと。

実は先月、台湾の桂冠實業を取材、王亞倫社長にインタビュー。場所は、台北市内の同社キッチンです。メニュー提案など消費者とのコミュニケーションを醸成する情報発信拠点です。

王社長によりますと、新工場の狙いのひとつは、マーケットの需要増に伴う生産体制の強化です。台北近隣の桂冠第一工場、同第二工場は既にキャパシティいっぱい。そして都心郊外立地のため人手不足の問題もあります。新工場立地を南部に、新工場には最新設備を導入して生産増強を図ります。そして新工場を契機に狙うのはもう一つ、国際戦略です。

同社では1995年中国・上海に工場を建設し、上海地区では鍋用具材トップメーカーであり、「湯圓」(もちごめだんごデザート)市場シェア30%を占めるなど、中国・華東地区の冷凍食品リーディングブランドの地位を築いています。

王亞倫社長は、「第三工場の完成を契機に国際戦略を加速させます」と意欲的です。現在同社では、中国市場は前述のとおりで、アジアでは他に香港、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、フィリピン。オセアニアは、オーストラリア、ニュージーランド、グアム。米国、カナダ、ブラジル。さらに南アフリカもとグローバルに製品を販売しています。新工場を生かし、「世界的に有名な冷凍食品メーカーになること」を目指します。世界に広がる中華圏のマーケットはもちろん手応えを得ているそうですが、「新工場は、さらに次のステップに進むための拠点になります」とのことでした。

経営幹部が揃って上棟式に出席。中央に王亞倫社長(明るいブラウス姿)、その右は来賓の陳建斌氏(元台湾政府農業委員会生産局長、前財団法人農業科技研究院院長、現財団法人台湾香蕉(バナナ)研究所董事長)です。陳氏は生産局長就任前は、同農業科学パーク所長を務めていました。

台湾の冷凍食品業界団体設立時の立役者、日本留学経験も長く(修士、博士)、懐かしく感じる業界の方々も多いかと思います。

桂冠ブランドの商品情報など、次回をお楽しみに。

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