冷凍食品の保存温度はどうして-18℃以下なのですか?

『冷凍食品についての素朴な疑問シリーズ』
冷凍食品の保存温度はどうして-18℃以下なのですか?
家庭の冷凍庫はいつも-18℃以下だから安心?

冷凍食品のパッケージ裏面を見ると下記の例のように、保存方法は「-18℃以下で保存してください」と表示してあります。

<一括表示の例>

冷凍食品の品温は、日本の食品衛生法では、微生物が増殖できない-15℃以下にすることが定められています。更に、行政と業界団体により、生産・流通・販売の各段階で、微生物の繁殖を抑えると同時に、食品の酸化や酵素反応などによる品質変化を抑制して、品質を長時間にわたって保持するため、-18℃以下にすることが定められています。食品の国際規格であるコーデックス規格でも同様に-18℃以下とされています。
従って、日本の冷凍食品の製造工場での生産から、販売店への輸送、販売店での陳列ケースなどでは、-18℃以下になるように管理されています。

では、家庭の冷凍庫はどうでしょうか。買ってきた冷凍食品は冷凍庫に入れてしまえば安心と思ったら大きな間違いがあるかも知れません。冷凍庫の性能と日々の使い方で品質に対し影響がでるので、次に説明したいと思います。

1.家庭用冷凍庫の性能
家庭用の冷凍庫は、JIS規格(日本工業規格)でその性能が決められています。下表にそれを示しますが、スリースター、フォースターの冷凍庫は-18℃以下で、ほとんどの家庭用冷凍庫はどちらかに該当すると思いますが、フォースターは、スリースターの性能に加え、容積100㍑当たり4.5kg以上の食品を、24時間以内に-18℃以下に凍結できる性能を示しています。また、フォースターの冷凍室の中に新鮮冷凍ルームを設けていて、それがツースターのものもあります。

 <表-1. 冷凍庫の性能表>

このように、フォースター、スリースターの冷凍庫を使用していれば、-18℃以下なので問題なさそうですが、この表にあるように、保存期間の目安は約3ケ月とされています。賞味期限1年と表示されているのに、おかしいと思われるかも知れませんが、これは、冷凍庫に収納したときの品質が3ケ月間保持できます、ということでおいしく食べられる賞味期限とは異なることと、次に説明する使用の仕方に関係しているのです。

2.冷凍庫の使い方
これから気温も上がっていく季節なので、冷蔵庫・冷凍庫を開ける回数が増えてくると思います。そうすると、中の温度変化が大きくなるので注意が必要です。これについては、生協さんが詳しいデータを出しているので引用しながら説明します。

下の図は、室温約19℃において冷蔵庫・冷凍庫のドアを開けたときの庫内の温度変化を調べたものです。
青線のグラフをみると、冷凍室を15秒間開放したときは、-23℃から-13℃まで上昇し、閉めても元の温度に戻るのに10分近くかかります。1分間開放したときは、-5℃まで上昇してしまいます。

<図-1.ドアを開閉したときの温度変化(エフコープ「ふれあい」より)>

このことからわかるように、ドアの開閉は極力減らし、庫内を整理しておき開けたらすぐに製品を取り出せるようにしましょう。また、ドアポケットに収納した場合は、ドアの開閉の都度、外気の温度の影響をそのまま受けますのでより品質への影響が大といえます。

冷凍食品は、他の食品に比べ品質変化の少ない優れた食品ですが、冷凍庫に入れたから大丈夫と思わず、なるべく早めに使って、その品質の良さを味わいたいものです。


鳥羽 茂 氏(とば・しげる):東京工業大学大学院卒業後、味の素㈱入社、商品開発業務、調理食品研究所長を経て味の素冷凍食品㈱で品質保証業務に従事、同社定年後約7年冷凍野菜専業の大手企業、ライフフーズ㈱で品質保証業務に従事。神奈川県食の安全・安心審議会委員(現)

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