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【特集】キンレイ 「お水がいらない 長崎ちゃんぽん発祥の店 四海樓」の生産現場で鉄鍋の音を聞く!

「キャベツは硬めの部分から先に炒めます」と言って熱々の大型鉄鍋にカット済みのキャベツが投入されると、、、ジャーー!!!中華飯店の厨房のような大きな音が工場に響き渡りました。鉄鍋の中では回転するフィンがくるくるくるくる、、、もやし、きくらげを投入し引き続きジャーーー!!くるくるくる、最後に塩を投入して計5分で、キンレイの「お水がいらない 長崎ちゃんぽん発祥の店 四海樓(しかいろう)」400食分の炒め野菜が出来上がりました。番重(ばんじゅう:食缶)に分け入れて真空冷却器に。

その後この炒め野菜は盛り付け工程に移動します。ですが、炒め野菜の役割は、これだけじゃないのです。隣の出汁(だし)工程では炒めたキャベツを入れてスープを炊き出しています(注:写真は稼働前の機械)。

「中華鍋で炒めた野菜にスープを入れ野菜の旨みがスープに移る」という『中華料理 四海樓』のレシピを再現する工程なんです。「ほ~~」視察している記者団のマスク越しにため息が漏れました。まぁなんてめんどくさいことを、、(心のつぶやき)。効率重視の近代的生産工場で、鉄釜もスープも、これはおそらく常識破りの工程。


まずスープをプラケースに入れてトンネルフリーザーで凍結します。トンネルを通過する間に凍るフリーザーです。
製麺工程です。

写真は箱の中でUターンしながら発酵・熟成している様子ですが、ちゃんぽんの麺は、発酵時間2-3分と短めです。徐々に伸ばしてカット工程へ。そしてカットした麺は、1食分ずつ、ストンと1階下の麺茹で工程へ落ちていきます。

天井を突き抜けているいくつもの麵の道をご確認ください。上から下、です。2台あります。右側の大きめのが最新鋭のラインです。

ゆで上げた麺は凍結した出汁と出会います。出汁の上に麺、です。

そしてその上に炒め野菜、ボイルしたイカゲソ、むきえび、はんぺん(長崎特有の紅白かまぼこ)を手作業で乗せます。

大変な作業です。帽子の色は、ベテラン、新人などの区別。技量を補いながら、1時間に2500食を盛り付けて、その後再び凍結工程へ行くと生産工程も終盤です。
(写真は新設ラインの包装工程。奥がフリーザーの出口、手前は製品を取り出したプラケースが洗浄工程へ行くライン)。


この三層構造が出来上がります! スープは濃縮ではなくストレート。いわば丼の中身を凍結して固めてある状態なので、この三層の塊を鍋に入れ加熱して解凍するだけ、となるわけです。

包装工程です。微小金属探知機も導入して安全安心に磨きをかけました。

以上、キンレイの新工場、大阪工場(岸和田市岸之浦町12番1)です。

大阪から南へ、関空の手前。岸之浦という地名通り、海につき出たところ。遠く大阪湾の対岸を臨めます。夕焼けがキレイなんだとか。

新工場を建設するにあたっては、衛生品質管理はもちろんのこと、「そば」フリー化(アレルギー対策)。また、自然冷媒の冷凍倉庫、節水・排熱再利用、LED照明などなど、環境保全への取り組みも強化しました。旧大阪工場から15キロ程離れましたが、退職転職は2割にとどまり、ベテラン従業員が継続勤務しているそうです。

新工場披露で挨拶したキンレイ和田博行社長。つくば工場と合わせて生産能力は1.5倍に。新設の鉄釜炒め行程もちゃんぽんにとどまらず商品の品質アップに貢献するとのこと。「冷凍だけど本物。この志向はますます強くなっていくと思います。当社はますますそれに応えて、さらに皆様の健康にも貢献する企業になって未来を切り開いていきたい」

さて、炒め野菜が香ばしい「四海樓」。

「ちゃんぽんはラーメンに非ず」 しっかり煮込んで、具材の旨みがスープに、スープの旨みが麺に生き渡り、三位一体の味わいになるめん料理なのです。「ひと口スープを飲んでも、え?と思う優しい味わいだと思います。食べ進んでいくと美味しくなるのがちゃんぽん」と四海樓の陳勝継社長は説明しています。

四海樓四代目店主陳優継氏の「ちゃんぽん」レクチャー

陳優継社長(1965年生まれ)は、長崎ちゃんぽんを考案した四海樓創業者、陳平順氏のひ孫。長崎華僑文化の継承、研究に情熱を捧げている方で、現在長崎中華料理同業組合の組合長など地元で数々の要職を務めています。

実はエフエフプレス、先日、長崎四海樓に行って「ちゃんぽん」「皿うどん」を研究してまいりました。四海樓には内緒で、です。味わうのは30年ぶりくらい。

「四海樓」です。カメラに収まり切れないです。

開店直後に行っても展望レストランは満席!! なので、名前を書いて下の「ちゃんぽんミュージアム」へ。

明治32年の創業時は、現在の海沿いではなく、「唐人屋敷」の門の近くだったとか。

行ってみました。四海樓の名残は無かったですが、この碑の揮毫、陳社長だそうです。

汁のこぼれない、こんなかっこいい丼で出前していた時期も。四海樓がちゃんぽんを考案してから、他の中華店にも広く普及したので丼があちこちの店に行きかう混乱を経て、名入りの丼を考案したそうです。

あ、懐かしい。30年前はこんな建物でした。さて、30分待ちで入店。観光でマストな店なのですね。

錦糸卵! 肉入り、えびはじめごろごろ具たっぷりです。滋養強壮の食べ物なのですね。

スープ、麺、具とどんどん食べてお腹いっぱい。

もちろん、皿うどんも発祥の店です。材料は同じ。こちらも炒めた具がたっぷり。すこしこってり、という感じでした。

さて、おまけ。満腹ですが、、、店を出たら、、、

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