冷凍食品生産、品目首位が激しく交代
一般社団法人日本冷凍食品協会は4月20日、平成27年(1月~12月)の冷凍食品国内生産・消費統計を発表しました。前年がマイナス成長となったため、回復するかそれとも連続マイナスかと業界内では気をもんでいましたが、国内生産量は前年比98.6%と2年連続のマイナスに。一方生産金額(工場出荷額)は、同101.0%と増加しました。価格改定が反映された結果になっています。
国内生産量は、業務用、家庭用別に見ると、業務用が前年比96.9%と前年まで4年間続いていたプラス傾向からマイナスに転じたのですが、家庭用は反対に前年のマイナスからプラスに転換し、同101.1%です。生産金額も同様、業務用は同99.3%とマイナス、家庭用は103.3%とプラスになりました。
業務用:家庭用の生産高比率は、59.4%:40.6%です。
品目別の生産量を見ると、「たこ焼・お好み焼」の137.6%という大きな伸びが目立っています。これは、コンビニエンスストア各社のPB開発が進んで、人気を博し、メーカーが生産ラインを増設したことが要因です。画期的なリニューアル品や新商品で話題をふりまいた「炒飯」も110.8%と二ケタ増でした。米飯類はおにぎりもピラフも伸びました。一方で麺類は、うどん、スパゲッティ、ラーメン類ともにマイナスと明暗を分けました。
生産量上位20品目を見ると、「うどん」がマイナスとなって「コロッケ」が首位を3年ぶりに奪還。3位「ハンバーグ」は変わらず。「炒飯」は前年7位から4位に躍進しました。5位は1ランク順位を上げた「ギョウザ」。6位は逆に順位を1つ落とした「スパゲッティ」です。7位「カツ」、8位「ピラフ」、9位「ラーメン」。そして10位に「たこ焼・お好み焼」が初ランクインです。
冷凍食品協会では冷凍食品の国内消費量を、国内生産量に冷凍野菜の輸入量と調理冷凍食品の輸入量(注意:これは冷凍食品協会会員企業のみの数値です)を加えて算出しています。昨年は冷凍野菜輸入量が微増、調理冷凍食品輸入量が円安の影響を受けて2年連続のマイナスとなりました。これによって、国内消費量全体は、268万tあまり、前年比98.9%と減少しました。国民1人当たりに換算すると、21.1kg(前年21.3kg)になります。
横ばいかマイナスかと予想していた家庭用の生産量がプラスになったのは、やはり大きく伸びたヒット商品のおかげのようです。業界は商品開発力をもっと磨き、ヒットを出し続けることが重要。つまり、より良い商品で生活者の皆様に貢献することで、持続的な成長を続けることができるのではないかと思います。
冷凍食品の品目ジャンルは無限大! まだまだ、無限の可能性を秘めているのです。
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2105冷凍野菜輸入量