東京オリンピック、成功の陰に冷凍食品あり
2020東京オリンピック代表選手の話題が尽きないこの頃。写真は、「冷凍食品がなければ、東京オリンピックの成功はなかった」と講演(2005年5月)する、元帝国ホテル総料理長、村上信夫シェフです。
もちろん東京オリンピックとは1964年大会のこと。
オリンピック選手村の「富士食堂」運営を任された村上シェフ、バラエティ豊かで美味しい、魅力ある料理を出すにはどうすればいいかと考えて冷凍食品の活用に思い至りました。
オリンピック開催時期にまとまった食料調達すると、生鮮品が高騰して東京都民に迷惑かかってしまう、との思いもあったそうです。
シェフの真面目で優しいお人柄が溢れるエピソードですね。いまも懐かしい、すてきな笑顔です。
その開発をバックで支えたのは日本冷蔵(現ニチレイ)でした。
選手村食堂のメニューには政府関係者の厳しい審査もあったそうです。何度か試食会を開いた中で、最大の催しは、1963年8月23日帝国ホテル「孔雀の間」で約500人が出席した試食会でした。生鮮を使ったメニューと冷凍食品メニューを混在させて、それと分からないように提供したそうです。そして見事、パス。試食会では五輪担当、佐藤栄作大臣(オリンピック終了後に総理大臣)が冷凍牛肉を解凍調理したローストビーフを食べて、「うまい」と評価したとのこと。
選手村のメニューには、各国別の料理などもあって、選手たちの励ましになったといいます。当時からきめ細やかな「おもてなし」精神があった。そして、多彩なメニュー提供は冷凍食品のおかげ。泣けますねー
村上シェフ、この時の講演では、「オリンピックの後、ホテル・レストランに冷凍庫が普及した」とも語っていらっしゃいました。業務用の食品として冷凍食品が大きく発展する契機もつくったわけで、ムッシュは業界の功労者でもあります。
2020年東京オリンピックでは、はてさて、やはり、格段に美味しくなった冷凍食品が大活躍することでしょう。