レンコン加工トップ企業・マルハ物産、林香与子会長が勇退し新体制 伝統から革新へ 味付け品も強化
5月、徳島の㈱マルハ物産(徳島県板野郡松茂町、林正二社長)とグループ企業の農業法人、マルハファームを訪ね、レンコンの収穫、出荷風景を視察。

マルハ物産本社工場では、レンコン加工風景を視察しました。

マルハ物産は、加工レンコンの国内シェアで40%上回るナンバーワン企業。発売30年を超える人気冷凍食品「レンコンひき肉はさみ揚げ」をはじめ、惣菜や恵方巻に入っているカットしたレンコンも、レンコンを使ったものがあれば2つに1つは、マルハ物産製品と言ってよいのです。

今回の取材目的は、5月25日付で勇退される林香与子代表取締役会長(同日付で非常勤取締役)、林正二代表取締役社長へのインタビューでした。
林香与子会長は、1958年創業の同社を国内トップ企業に発展させ、「今年80、まだまだ元気なうちに」と勇退を決めました。林前会長は、1970年代後半の中国江蘇省で産地・加工場を開拓したパイオニアであり、一方で、日本国内でも徳島、茨城の二大産地に生産加工拠点を持つなど、レンコン加工で唯一無二のマルハ物産を発展させてきました。2000年以降は、徳島県内の持続可能な農業支援にも尽力。中国でも河北省できのこ加工品の合弁事業を成功に導いてしました。
林前会長は、2017年渋沢栄一賞(独創的起業家、社会貢献:徳島初、四国初の受賞)、2018年藍綬褒章(惣菜産業発展貢献)、2019年徳島県経営者協会会長就任(全国初の女性会長)、2020年第53回食品産業功労賞受賞(日本食糧新聞社)と数々の栄誉に輝いています。

林正二社長は、専修大学を卒業後北京第二外国語学院で中国語を習得して、食品産業界に入りました。2014年に社長就任。今回の役員交代で代表の意気込みをうかがうと「まあ、大きくは変わりませんが」とにこやかに、「今年は国内加工品に少し力を入れて、レンコンやタケノコを使用した、味付け商品を開発・提案して、惣菜、外食産業の人手不足対応に貢献したいです」とのこと。
加工用レンコンを主軸にしてきましたが、レンコン以外の製品、乾燥パウダー等も取引が増えてきました。今年4月に東京で開催されたファベックス展(日本食糧新聞社主催)では、新開発商品、アジアンエスニックメニューに使用できるキムチレンコン、麻辣ミックス、グリーンカレーミックスなどを出展して注目を集めました。
「当社は55期目。永続していける企業として、新しい取り組みもどんどんやっていきたいです」と林社長は意欲的です。徳島本社と茨城の事業拠点をさらに強化することで、災害リスク回避の対応も進める予定です。また、レンコンは、健康、美容効果でも近年注目されている食材。ポリフェノールなどの成分にも着目していくとのことでした。
さて、レンコンの収穫風景や加工場を視察してきたので、そんな話題もご披露。
レンコンは秋から翌春にかけて収穫期はかなり長く続きます。5月の収穫はもう最後の段階。種付けも並行して行われる時期です。レンコンの収穫というと水につかっての作業を連想する方が多いと思いますが、それは茨城の収穫風景で、徳島では畑の水を抜いて、表面の土を除いた後は、ていねいな手掘りをして収穫しています。産地の土は粘土質で、折れず、傷つけずに掘るには熟練技が必要。

こんな風に傷をつけないよう、折れないようにやさしく運びます。大変な作業です。
レンコンは「蓮根」、蓮の根ですから、根を張らせて育てる農業です。種レンコンを畑に入れて、その節から新しい根が育っていきます。案内していただいたのは、マルハ物産シニアスペシャリストの大前良和氏。
徳島産レンコンは、茨城産に比較して穴が小さめ。食感はもちっとしていて、シャキシャキ感強めの茨城県産レンコンとは異なります。京都おばんざいでは、徳島県産が好まれるとのことでした。






