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「なんだ冷凍かよ」からの脱却、ひょっとして足元から・・・?

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 冷凍食品メーカートップ、社員が集った会合で、「消費者の目線から冷凍食品を見ると・・・」というテーマで話題を提供し、かつ、意見交換をするチャンスを得た。出席の顔ぶれは、業務用メーカー関係者が多めだったと思う。故にだろうが、業界人ながら「消費者目線」で家庭用冷凍食品を論ずる場面もあり、話は右へ左へ行き交って大いに盛り上がった。そして終了後、某メーカートップの感想は「まず社内からの認識確認、意識改革が必要」であった。つまり、冷凍食品メーカーに勤務しながら、冷凍食品に対してマイナスイメージを持ち続けている人がいる、ということ。

 ごく少数意見かもしれないが、フリーディスカッションから出てきた発言を挙げる。

 「女房が食卓に冷凍食品を出したら怒る」、「冷凍食品じゃあ栄養はとれない。やっぱり生の素材から調理しなくては」

 本気で言ってるんですか?と聞き返したが、信念のようだ。冷凍食品が食卓に、という場面では、その頻度や料理としての提供の仕方も関係すると思うが、発言者に確認すると、自身は全く料理をしないということであった。

 また、「栄養は、、、」という発言に対しては、業界が約40年前に確認していること、すなわち、冬場の旬の素材を加工した冷凍ほうれん草のビタミンC含有量と、夏場の生鮮ほうれん草のビタミンC含有量を計測比較すると、冷凍ほうれん草の方が数値が高かった(女子栄養大学吉田企世子教授〈当時〉調べ)という古典的事例を解説しなくてはならなかった。調理冷凍食品も料理である。無機化合物ではない。生鮮等の素材から切って加熱し調理したものであり、家庭の台所やレストランの厨房と異なるのは、非常に衛生環境の良い大掛かりな設備の工場で作ることと、急速凍結しているという2点である。まさか、業界企業の社員に対して、こんな説明をすることになるとは思ってもみなかった。

 少数派の女性出席者にも聞いてみた。「結婚したとき夫から、冷凍食品は出さないでくれと言われた」そうだ。しかし、フライものを酢豚風にアレンジして食卓へ。「美味しいでしょう?うちの冷凍食品をつかったのよ」と痛快に一本とってみたという。自社の製品に自信、プライドがあるということだろう。また、こんな面白い発言もあった。「最近、全くの異業種から転職したが、美味しいので日頃よく買っていた惣菜が当社の冷凍食品だった。びっくりした」

 業界に居ながら、冷凍食品を価値あるものとして評価できない理由は、個々にさまざまあると思うが、業務用のプロの世界でも、いまだ、「なんだ冷凍かよ」という問屋やユーザーの声があるということも一因なのではないだろうか。そんな顧客に迎合していくうちに自らの価値観を育てずに過ごし、業界に居ながら冷凍食品の本来の価値を評価し伝えられないという落とし穴に落ちてしまう。

 まずは、足元に穴はないか?再確認をお願いしたい。

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