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手抜きではなく「手間抜き」 さらに、冷凍食品の持つ本当の価値を深めるために

2018年、新年。2月開催の平昌冬季オリンピックに向けて応援ムードが高まる中、開催まで既に1000日を切っている2020東京オリンピックについての話題も盛り上がる。当然のように、1964開催時に経験した冷凍食品産業発展のエポック再び、と業界の期待も一層高まってきた。新年にあたり、その来たるべき業界発展のためにすべきことを考えてみた。結論から言えば、提言したいのは「発想の転換」である。
まずは、昨今各種メディアで注目されるようになった「冷凍食品の進化」「美味しくなった」「簡単便利」「リーズナブル」「時代が求める」「将来性がある」という評価からあえて離れ、もう一度、冷凍食品の原点を見つめ直すことだ。そして、冷凍食品が単にいろいろな加工食品の中から選択される一つの食品ではなく、食材を産地から食卓までつなげる手段であり、システムであることを再認識する
「冷凍食品はシステム」~食品冷凍学の権威、鈴木徹東京海洋大学教授が折に触れて言及される言葉だ。原料、生産(急速凍結)、保管・流通、販売、調理(解凍)という流れの中で、急速凍結の技術、メリットが生きるためには、温度管理を筆頭に何を欠いても冷凍食品は成り立たないというシステムなのである。このシステムが整うことで、あらゆる食シーンの中で冷凍食品が真に価値のある食品として評価され、活用され、食を通じた人々の満足感、幸せにつながる。
以上を、冷凍食品産業発展の目標、喜びとすることを提言したい。もちろんそのための手法は、家庭用、業務用問わず、安全・安心はもとより、より便利でより美味しい、より機能的でリーズナブルと評価され、ヒットする商品の開発を続けていくことに始まる。そして、家庭用では、最終段階の「調理(解凍)」について、もっと丁寧に伝えていく努力が必要である。

エフエフプレスでは、随時読者の声に応え、疑問、質問に対応している。新年早々、「問い合わせではなくお礼」というメールをいただいた。働きながら子育てをしている方からで、冷凍食品を使うことは『手抜きではなく、手間抜き』という言葉で気持ちが楽になった、という内容であった。

便利で美味しいともてはやされ、売れるだけでは、業界の喜びはまだ半ば。冷凍食品という素晴らしいシステムによって、楽しく、豊かで、健康的な食卓が広がっていくことを目標に、それを真の喜びとして食べる人と共有できてこそ、冷凍食品産業発展の次のエポックが訪れる。

年末の日本冷凍食品協会推計によると、2017年の国内生産数量は前年より3%ほど伸びて初の160万t台に達する見込みである。勢いのある業界と印象付けることができた年末年始だが、今年直近には、コストアップに伴う値上げ、待ったなしの人手不足対応、脱フロンも含めて迫られる設備更新等々課題山積である。そんな忙しさの中でも、冷凍食品というシステムで人々の幸せを実現していく、という志があれば、継続して評価される製品を世に送り出していくことができるだろう。決して過去の価格改定時のように、流通の理解を得るための作業で疲弊することの無いよう願っている。

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