Column

冷凍食品は『生鮮五品目』! Fresher Than Fresh! 原点回帰する年に

2023年、新年にあたり、今年のテーマを考えた。本サイト「エフエフプレス」が掲げ、冷凍食品ジャーナリスト山本純子が取材や情報発信の活動を通じて実現を目指していく課題であり、つまりは、業界各位、業界関連各位と共有したい“ことば”である。

結論から言おう。タイトルに掲げた通り、冷凍食品は『生鮮五品目』という認識を広め、それにふさわしい販売をすること。
さらに、フローズンの価値『Fresher Than Fresh!』の訴求である。『生より新鮮』、保存料不要で腐らず、長期保存が可能。故に食品ロスを出さない食品であることを積極的に広めていきたい。

老若男女問わず誰でも簡単に調理ができて、美味しく栄養豊かな食事を整えることができる、社会に必要不可欠な食品が冷凍食品だと認知される年にしたい。

本サイトでは2016年から、冷凍食品を使うことは手抜きじゃなく『手間抜き』だと発信してきた。2022年は『時空間超越食品』であると訴えた。業界内外で賛同いただける方々は多く、さまざまに活用いただけた。
2022年、冷凍食品、フローズンに関する話題はこと欠かず、メーカーの開発魂を感じるヒット商品もあって、家庭用はマーケットは盛り上がった。そこからさらに、もう一歩前へ進むために、今年は『生鮮五品目』と『Fresher Than Fresh!』を掲げたい。

★生鮮五品目
『生鮮五品目』。昨年依頼を受けた講演や寄稿で既に発信している文言なので、旧聞の方も多いと思う。


ほうれん草(生/冷凍)のビタミンC量
【資料:東京海洋大学特任 教授鈴木徹先生の実験結果】

グラフは、昨年8月24日放送のNHK「あさイチ」で紹介された、生鮮ほうれん草(2検体)のビタミンC量と冷凍ほうれん草(4検体)のビタミンC量を測定した結果である。冷凍野菜が旬の時期、冬の栄養価を保持していることを示して注目を集めた。

できたて、とれたての鮮度をそのまま、時間を止めて、空間を超越できる冷凍食品のメリットが全国に発信された。

イオンリテールの「@FROZEN」が表紙を飾った「ダイヤモンド・チェーンストア」誌2022年12月1日号掲載、「冷凍食品が核売場になる日」特集に一文寄稿した際、地域密着のSMこそ顧客に対し、今日明日使う生鮮三品、今日食べる惣菜(消費期限1日の生鮮四品目)、明日以降も鮮度を保ち長く活用できる冷凍食品を『生鮮五品目』として提案できる。それは食のトータルソリューションだと訴えた。
目的買いの客しか足を運ばない店舗中程の売場配置は不親切この上なく、レジへの動線を考えても遠い。冷凍食品売場は壁面、もしくは惣菜売場の近くにと提案した。同特集によると、イトーヨーカドーの新店、改装店もこの考えで売場作りを進め、実績を上げている。

イトーヨーカドーの新・冷凍食品売場の発端は、2017年11月オープンの赤池店(愛知県、写真㊤:当時)だった。冷凍食品を惣菜の一部と考えていくという方針を当時取材した。

★『Fresher Than Fresh!』

『Fresher Than Fresh!』、生より新鮮というキャッチフレーズは50年以上前から米国で使われている。収穫したその日からどんどん鮮度が低下していく生鮮品より、収穫、もしくは調理の直後に急速凍結するフローズンの方が鮮度を保っているという意味である。

鮮度を保つ手段が冷凍食品である、という認識が50年前から浸透している米国や英国などは、国民1人当たりの冷凍食品消費量が常に高いレベルにある。

50年前の原点に回帰しよう。凍結するメリットは何か、そのメリットを食卓で享受するには、どのような買い方、ストック、解凍調理が必要か。改めて、あらゆる場面で説明していくのである。地域住民のニーズを把握し、コミュニケーションできるスーパーがその役割を担ってほしい。そのコミュニケーションをサポートするのが、冷凍食品業界である。
もちろん、品質保証ができ、かつ美味しい商品、生活をより豊かにしてくれる商品開発があってこそ。フローズンの世界で取組み強化、新規参入も相次いでいるが、ブームに乗る発想ではなく、原材料から調理・加工、凍結、流通、解凍・調理まで、全てを視野にフローズンビジネスを考えて連携してほしい。

「男性も含め、あらゆる人が、冷凍食品を使い料理をすることで生活は豊かに、また、料理が喜びにもなる。これは間違いない未来、なのである」

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