凍らないタンパク質?!いや、それを入れても凍るのですが凍り方が違うそうです。ニチレイが初のお披露目で注目され「ライフナノテクノロジー賞」を受賞
南極の冷たーい海にも魚が元気に泳いでいるそうです。泳いでいるということは、凍らないのです。その魚たちは「凍らない何か」を持っているんだろう、と考えたわけです。ニチレイ、流石です。50年前、日本初の南極越冬隊の食料として冷凍食品を開発した会社ですから。
南氷洋で泳いでいる魚、タラ科やカレイ科の魚だそうですが、そこから発見されたのは「不凍タンパク質」。Antifreeze Protein:略称AFP。これは食品をはじめ何か社会の役に立ちそうだと、ニチレイは長年研究してきたそうです。4年前に専門部署を設けて研究を続け、昨年9月、AFPの抽出・精製法を確立して、製品の販売を開始しました。
そして、今月、東京ビッグサイトで開催された「nano tech 2017」展に初出展。お披露目の場となったのでした。。
展示ブースは、なかなかの人気ぶりでした。
会期中「不凍タンパク質のご紹介と活用例 ~食品、多孔体の製造から細胞保存まで~」というプレゼンテーションも実施、大変な注目を集めました。出展者の中から選出される優秀賞「nano tech 大賞」においては、「ライフナノテクノロジー大賞」を受賞しました。
さて、魚から抽出された不凍タンパク質とは、こんな粉です。
精製度合いによって販売価格は異なるようですが、現状は100mgで2万円!という話も。食品への応用は、まだまだ先かな~と思われますが、食品ではないところでも期待がたかまっているようです。
利用のイメージとしては、こんな感じ。
冷凍食品の場合は、冷凍耐性をつけることができて、凍結ダメージ軽減されるようです。
展示物を見せてもらいました。
わかりやすいように色をつけた寒天を凍らせています。そして、解凍したものを比較しています。不凍タンパク質を添加しておくと、崩れません。
色水を凍らせると、不凍タンパク質添加のものは均一に氷ますが、添加していないものは、透明の部分ができて溶かしたものが偏っているのがわかります。
解凍して4℃くらいで形、品質を守るそうです。じゃあ省エネだと思われますが、じゃあその温度で全国保管・流通できるシステムは?というと無いのです。
食品への応用結果で効果あり、と確認できたものは、飲料やアイスクリーム類で滑らかさの付与という効果が期待できるそうです。あとはコスト。
将来、コストのかかる部分も解消荒れて、おもしろいものができるのではないかなーとワクワクしますね。