食品ロスを減らそう! 『ニッスイ「缶切り部」』イベント2019
台所の片隅に眠っている缶詰はありませんか? 日本水産が取り組んでいる、缶詰を食品ロスにさせない『ニッスイ「缶切り部」』活動を見学してきました。
「缶切り部」の部活動は、「家庭に保管されている水産缶詰などの食品を無駄にせずに有効利用することを啓発するCSRプログラム」です。つまり、ストックしてあるけど忘れ去ってしまいそうな水産缶詰と、家庭によくある賞味期限ぎりぎりの食品を使って料理をしよう!と呼びかける活動です。
CSR(シーエスアール):Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任=企業は利益を追求するだけでなく社会の一員として果たすべき責任がある
一般市民も企業も、環境を守る、人権を守ることなどに配慮しながら、より良い社会の実現を目指していきたいもの。
食べられずに捨てられてしまう「食品ロス」、もったいないですね。その社会的な重要問題に対して、食品関連企業には当然、食品ロスの削減に努めるべき「責任」があるのです。
さて、会場は東京・浅草、「まるごとにっぽん浅草区 Cooking studio おいしいのつくりかた」。
土曜日のお昼近く、缶切り部の部活動スタートです。
↑ 缶切り部部長の加藤さんは、ニッスイCSR部で働く社員。加藤部長から配布された『部員こころえ』の説明がありました。「重要なのは缶切り部モットー。たのしく、失敗しても落ち込まない、いつもと違うレシピもおもしろがる」とのことでした。
「部員」は、各家庭から余っている食材を1品ずつ持ち寄ります。参加費は500円。一般の方々から「部員」を募り、「部活動」をサポートしているのは、一般社団法人フードサルベージです。廃棄寸前の食材を生かして料理をする「サルベージ・パーティ®」、略して「サルパ」を事業活動の中心にしている一般社団法人です。
集まった食材は、去年のそうめん、実家から送られてきた餅、タイ旅行のお土産で買ったインスタントラーメンの余り、コーン缶、切り干し大根などなど。食材とニッスイの缶詰を見ながらメニューを考え始めたのは、フードサルベージの公認サルベージ・シェフ、高田大雅シェフです。
タイ語のラーメンをじっと見ている高田シェフ。シェフが約30分で4班分のメニュー8品を考える間、フードサルベージ代表理事の平井さんから部員に「サルパ」の説明があります。
「サルベージとは『救い出す』という意味。家の中の食材をフードロスから救い出す取組みです」「残りがちな食品は、景品でもらったもの、おみやげ、安いなと思って買っておいた缶詰など」「シェフが考える意外な使い方をぜひ参考にしてください」
部員はまず、水産缶詰を味わってみます。ニッスイの尾崎課長から缶詰についての説明。「作りたてより1年くらい経った方が汁が浸みこんで美味しくなります」
昨年大ブレイクした「鯖缶」は、3分の1の力でスルッと開缶できるタイプのものも用意されて話題に。賞味期限表示は今年7月からニッスイの一部商品が年月日表示から年月表示に変更される、というフードロス解消につながる話も出ました。
いよいよサルベージクッキングに入りますが、各班に缶詰と食材と共に配布されるシェフのメニューレシピは、ポイントだけの簡単なもの。
缶切り部活動は、昨年からスタートして今回で4回目。今年度初開催です。一般の方対象の活動は大阪でもう1回。また、ニッスイ従業員向けに1回、ニッスイグループ工場(ハチカン)従業員向けに1回の計4回を実施する予定です。
砕いたラーメンの衣! 斬新ですね。
ソーメンチャンプルーは、イワシしょうが煮缶の具。缶のつゆも入れて残すところなくサルベージ!!!
高田シェフは、調理法や味付けをアドバイスしたり、盛り付け方法も教えてくれます。
お母さんは緊張しながらもじっと見守って、、、イベント体験後はご家庭で楽しく、月に1回の「サルパ」ができそうですね。
食品ロス問題を学びたい大学生や、自分の飲食店でサルパをしてみたいという参加者も増えているそうです。プレス関係者も缶切り部の装い、ニッスイの赤いエプロンをして写真撮影。
ニッスイ山本常務も当日は缶切り部員でした。
オムレツにサバ缶・持ち寄りのコーン缶で作ったトッピング。
赤貝缶は刻んでキュウリのせん切りと共に、持ち寄りのベジシートで巻いて生春巻き風に。
タイのインスタントラーメンは茹でて、戻した切り干し大根を加え、サバオイル缶と野菜を加えて炒めて、やきそばに!!
4班2メニューずつ8メニューが出来上がりました。そうめんは茹でて冷やして食べるだけじゃなく、缶詰を具に炒める!大根餅の中に帆立缶と一緒に入れて焼くといった目からウロコのアイディアがたくさん。
各班からおすそ分けが来るので、8品の試食会になります。
メニュー名も各班が考えて発表。工夫をした点など調理のポイントも各班から発表され部員同士が共有します。
「缶詰は汁が調味料、ダシになります。卵料理との相性がいいですね。余りがちなかんぴょうや春雨はスパゲティと一緒にしてカロリーオフができます」と高田シェフから調理のアイディアが伝授されます。部員からも「黒糖はどうしたらいいですか?」といった質問が出ました。「黒蜜にするのがオススメ」(高田シェフ)だそうです。
イベント終了後、フードサルベージの平井代表理事㊧とニッスイ森井CSR部長が揃って記者説明会を開きました。
缶切り部は、ニッスイCSR委員会内5部会の中のひとつ、フードロス部会の活動の一環です。フードロス部会では、もちろん生産段階からのロス削減に取組んでいて、缶切り部は最も消費者に近いところでの活動です。
サルベージパーティに持ち寄られる食材に水産缶詰が多くあるので、平井代表がニッスイに面談を申し込んだことがきっかけで、昨年からの缶切り部活動につながりました。「水産缶詰は救うべき食材の救済者になりますね」と平井代表理事。保存性がよく、そのままでも食べられて味が良い水産缶詰は、乾物と相性が良いことを再認識。
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おまけです。
缶切り部イベントを取材して、缶切り部員の缶バッジをいただいたので、胸にキラリと付けて翌日は夕方からごそごそと乾物ストックの引出しをあさってみました。なるほど、出てくる出てくる、、、忘れ去っていたわけではないけれど、缶詰だからもつよねーと放置していた缶詰の数々。持ちきれないくらいありました。
ならば、友人も呼んで「サルパ」です。
大好評! 具だくさんサーモンスープ! 鮭缶丸ごと+くたびれかけていたワカメ+しっとり感がうすれ始めていた酒粕です。
高田シェフのアイディアとカッコよかった盛付けを参考に、これも美味しくできました。イワシ×ソーメン チャンプルー♪ イワシ醤油缶+去年のそうめん+残り野菜です。冷凍食品は今回無しですが、炒めものには、カット済を小分けホームフリージングしているニンニクが活躍しました。