【特集】宮崎の「恵屋 新鮮やきとり」工場ルポ 絶妙な焼き加減と大温度差凍結で旨さを閉じ込める!
こだわりのつまった「恵屋(めぐみや) やきとり 4本セット」サンプルを昨年末に拝受し、試食。その美味しさにびっくり。
「恵屋 新鮮やきとり」試食!
ぜひ工場見学をさせてください!とお願いしましたところ、製造元の株式会社マスコ(宮崎市大字赤江字飛江田1253-1、守谷健吉社長)に快く受けていただきました。
㈱マスコ ウエブサイト
同社は、1987年9月9日創業、宮崎・鹿児島に居酒屋・レストランを33店舗を展開している実力、実績のある企業。しかも伺って驚いたのは、既に地場の野菜や日向夏を活用したチルド・ドレッシングのメーカーとしても実績のある企業でした。自社店舗「備長炭 炭火やきとり 恵屋」で作ったドレッシングがあまりに美味しいので「分けてほしい」という声が続出、ならば本格的な製造販売をと取組んだところ、店舗来店の方ばかりでなく販売が広がっていき、今では生協宅配の人気商品としても定着しています。
さて、冷凍食品「恵屋 新鮮やきとり」を知ったきっかけは、『冷凍王子』こと冷凍生活アドバイザーとして活躍する西川剛史さんから、「新規商品開発のプロジェクトを手掛けたんです」とうかがったこと。西川さんの冷凍食品開発へのこだわりはよく知っていますので、絶対美味しいはずと確信、「ぜひ、サンプルを下さい!」とお願いしたところ、「やはり」「かなり」の美味しさだったのです。
2019年明けて間もなくですが、わくわくと冷凍やきとり工場めざして宮崎へ!
とても良い天気でした。㈱マスコの冷凍食品工場外観です。コンパクトですが、とてもきれいで、ほんとに冷凍食品工場ですか?と驚きます。聞けば旧ドレッシング工場を活用した新規事業として冷凍食品工場を考え、「冷凍やきとり」の開発に取組んだとのこと。
新ドレッシング工場併設の㈱マスコ本社です。2015年に竣工しました。この建物の裏が冷凍食品工場です。
冷凍やきとりのブランドにもなっている、同社主力店舗「恵屋(めぐみや)」の前で、創業社長の守谷健吉社長です。
メニューが大きく、やきとり90円、ねぎま90円などと書いてあります。かなりリーズナブルですね。大繁盛の店とうかがいました。冷凍食品のやきとりは「恵屋」のブランドを冠していますが、店舗のやきとりよりちょっと上級の商品設計のようです。「実は冷凍やきとりの『皮』がとても美味しく仕上がったので、店舗で『極皮(ごくかわ)』と名付けてメニュー化したところ大好評」と守谷社長。「極皮は普通の皮の倍以上の価格、それでも売れる」。美味しい冷凍やきとりをと商品開発を進めて、「いける」と確信した出来事でした。
なぜ、冷凍食品を?「ご存じのように人手不足。そして若い人たちは、あまりお酒を飲まなくなってきた。外食店舗の拡大もしていきますが、外食以外の事業にも力を入れる」と守谷社長。しかし冷凍食品を思いついたものの同社にとっては未知の分野。ならば、「専門家に聞こう」と調べて守谷社長が「この人だ!」と直感したのが西川剛史さんでした。さっそく電話。西川さんは、自身が執行役員として勤務する冷凍食品製造コンサルタント事業会社、株式会社えだまめ(本社・東京都品川区、成田博之社長、㈱えだまめ ウエブサイト)の事業として請け負うことに。
西川さん㊧と守谷社長です。すっかり信頼の厚い事業パートナーとなり、2018年9月の工場竣工以降もマーケティング支援で関係が続いています。品質の安定した美味しいものを作るためのノウハウから、商品設計、マーケティングまですべて包括して請け負いました。訪問した日も、2月からの本格発売に向けて会議。
冷凍やきとり工場を紹介します。
ご案内頂いたのは、守谷弘嗣取締役営業部長です。守谷社長の長男です。
串刺しした朝締め鶏は、専門企業数か所から仕入れます。鶏は九州産限定です。工場では冷蔵の環境下で秘伝のタレ(化学調味料など合成添加物不使用)に24時間漬け込みます。
連続焼成ラインで次々と焼き上げていきます。簡単そうに見えますが、きれいな焼き上がりにするために1本1本丁寧に形を整えてセットします。
串の取り付け位置も重要。その角度もベストな状態に焼けるよう、コンマ数ミリの調整を経て本格生産に入りました。工場では、年間100万本の生産が可能になりました。
カリっと焼きあがった皮です。約6分の連続オーブンは電熱。上下の火加減の研究を重ねて仕上げました。
中心温度をチェックしています。
焼成室には他にコンベクションオーブンも備え、鶏皮のおつまみ製品も製造しています。近々、宮崎県産の美味しい季節の野菜を生かし、「焼き野菜」も計画中。野菜の調達は、ドレッシング製造の長い経験から万全の体制です。
焼きあがったものは、放冷室、凍結室へ移動します。同工場は、原材料から焼成、凍結、包装と一直線で設計されていて、効率性と衛生性を共に高いレベルで実現しています。
急速凍結機は、大温度差で品質をそのまま閉じ込める機能を持つ「イータマックス」(中山エンジニヤリング)を採用しました。マイナス50℃以下の環境でハイスピードで凍結します。
包装ラインはエックス線検査機、金属探知機で安全確保。包材はそのまま電子レンジ加熱ができる蒸気排出口付きの専用袋に包装されます。
もも、皮、ぼんじり、つくねの4本セット。
タレの4本セットに加えて、塩の4本セットもあります。
「塩」は天日塩を使用しています。
人気の出そうな「極皮チップス」です。美味。ビールが止まらまらなくなること必至です。
マスコでは、セット商品の販売も含めてまずはネットショップを開店しました。一般向けの他、新たな販路開拓も検討中です。
㈱マスコ・冷凍食品ネットショップ
守谷社長は高校卒業後京都に出て30歳まで外食店舗で修業、宮崎に戻り喫茶店の繁盛店を経営、30代で居酒屋チェーンに加盟。その後やきとり店で成功し、ドレッシング事業も。今年69歳になりますが事業拡大意欲満々です。現在は「恵屋」より高単価の「らくい」店舗、とんかつ店、バル、喫茶など10業態を手掛けています。京都で出会った夫人、守谷美智子副社長とずっと一緒に事業に取組んできました。「心のこもったサービスをする従業員が私の宝物」と守谷社長が名言されるように、社長が店舗の前を通ると店の中から皆さんニコニコとダッシュで飛び出してきます。
照れる加藤さん(わら焼き 炎の舞らくい:宮崎駅前)を挟んで、社長、副社長と3ショット。ありがとうございます。
より美味しいもの、価値あるものを提供し続けていきたい、という思いが店舗から、工場から伝わってくる取材でした。