2020東京オリンピックまで1000日! 冷凍食品飛躍の年へ
今年、日本冷凍食品協会の「冷凍食品アンバサダー」に就任した三國清三シェフです。10月18日「冷凍食品の日」イベントにゲスト出席し、トークショーの中で、「2020年東京オリンピックの選手村をはじめとする食材は、冷凍食品100%活用」と断言されました。三國シェフは東京オリンピック組織委員会顧問を務めています。2020年は真夏開催の大イベント。食材は当然冷凍食品に頼ることになりそうです。
1964年の東京オリンピックの選手村食堂では、三國シェフの大先輩、帝国ホテルの村上信夫シェフが冷凍食品の活用で大活躍した、というのは有名な話です。1964年10月10日開会式の大会に向けて、前年1963年4月に選手村給食準備委員会が発足しています。村上シェフは、その3年前のローマオリンピック開催時に、日本ホテル協会からローマに派遣され、選手村食堂を長期間視察していました。そして、日本ホテル協会は1961年7月に東京オリンピック準備委員会を発足し、総勢1万人と予想される人数の食欲を満たす食堂を効率よく円滑に運営する研究を進めました。村上シェフは著書の中で、「冷凍食品は大量調理の大きな武器になると注目されていた。ホテル業界にとって、東京オリンピックはその実践の場として大きな意味を持っていたのである。実際、選手村食堂の調理場には、ニチレイとの共同作業で超大型の冷凍庫が導入され、予想以上に大活躍した」と記しています。
帝国ホテルの社史によると、1961年から2年半、白鳥浩三シェフ(元上高地帝国ホテル料理長、オリンピック開催時は選手村富士食堂副料理長)を当時パンアメリカン航空の機内食を調理提供していた東京ステーションホテルに派遣、冷凍技術の活用を学んだそうです。
そんな努力の甲斐あって、1963年8月に開催された選手村食堂の料理試食会は大絶賛。生鮮から作ったメニュー、冷凍食品を活用したメニューを混在させていたそうですが、「区別がまったくつかない」とすべての料理が高く評価されたのです。冷凍食品の歴史の中で、オリンピックはエポックとなりました。選手村食堂で働いたコックは、全国から集まった306人。冷凍食品のメリットを肌で感じた料理人が、オリンピック閉会後に自分のホテルに戻り、厨房に冷凍庫を導入していったのです。
2020年はどんな躍進が待っているのか、楽しみですね。