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【PR】ニッスイ国内養殖「ニッスイサーモン」リポート 2030年1万トン体制へ

6月下旬、ニッスイが岩手県陸前高田市で開催した、「ニッスイサーモン」養殖事業のメディア見学会に参加しました。同市では過去2年の試験養殖・水揚げを経て、今年から本格スタートとなります。写真中央は、同市の広田湾漁場での水揚げ・活き締め直後の「ニッスイサーモン」を抱えた㈱ニッスイサーモン(鳥取県境港市)の鶴岡比呂志社長。その重さはずっしり、約5.5㎏です。写真㊧は前田充穂取締役養殖部部長、㊨は養殖部の御供俊介課長(海洋課課長兼岩手海洋チーム担当課長)。

ニッスイは今年、国内サーモン養殖事業の新たなフェーズを迎えました。事業子会社の弓ヶ浜水産㈱(鳥取県境港市、鶴岡比呂志社長)の社名を4月1日付で「株式会社ニッスイサーモン」に変更。境港、佐渡、岩手県内(大槌、大船渡〈2025年から試験養殖〉、陸前高田)と国内三拠点で養殖するギンザケのブランドを「ニッスイサーモン」に統一したのです。

それぞれの地名を冠したサーモンから、社名を掲げた養殖魚ブランドにして展開していく、という点で、ニッスイの力の入れ具合が分かりますね。養殖魚では近大マグロなど有名ですが、社名を掲げたブランドは初ではないでしょうか。「ニッスイサーモン」サイト

「ニッスイサーモン」の昨年度の水揚げ量実績は、4,189トン。今後も事業拡大に力を注いで、掲げる目標は、2030年度1万トンです。三陸岩手はそのうち7000トンを見込んでいる重要拠点です。

社名変更に伴って、女優のんさんを起用したCM、そして「旬を楽しむサーモンキャンペーン」を実施中(~2026年7月20日)ですので、のんさんのシールがついた「ニッスイサーモン」を売場で買って食べた、という方も多いことと思います。ニッスイサーモンキャンペーン特設サイト

今回2日間にわたり、養殖関連施設、水揚げの様子、近隣の水産加工事業子会社・㈱武蔵野フーズを見学、「ニッスイサーモン」の試食も多数ありましたが、刺身、ムニエル、カルパッチョ、フライ、、、何でも来いのおいしさでした。

脂ののった「ニッスイサーモン」のお刺身。白い縞々がとろける味わいを表現しています。

「ニッスイサーモン」尽くしのランチ。ワタミが運営する農業テーマパーク「陸前高田ワタミオーガニックランド」でいただきました。

サケ、マグロ、ブリ…と人気魚種の筆頭に挙げられる鮭・サーモンは、どんな調理法でもそれぞれおいしい。だからみんな大好きで需要も右肩上がりなのだな、と再認識しました。

ワタミオーガニックランドでは、陸前高田市が企業・団体との連携で取り組んでいる森づくり協定についてレクチャーがありました。ニッスイもワタミも同協定を締結している企業です。漁港として有名な同市ですが、市の面積の約8割は森林。森を守り森林資源も活用していくことが、川、海も含めた環境保全につながるのです。

写真は、協定に基づく「ニッスイみらいの海をつくる森」で、5月に実施した初の森林保全活動の様子です。

2030年グローバルでサーモン養殖事業は約10万トンに

㈱ニッスイサーモンは、陸前高田市内に養殖部本部事務所を構えています。ニッスイ本社から取材団に同行した水産事業第一部の菅原亘部長から、同事務所でニッスイがグローバルに展開しているサーモン事業についての説明がありました。世界のサーモン需要は拡大傾向にあって、サステナブルな養殖生産への期待感が特に高まっています。ニッスイは約40年前からチリでサーモン養殖事業に取り組んできました。その歴史、知見、飼料開発から販売までのバリューチェーンを持つ強みがあります。また、完全養殖の高度な技術、AI、Iot活用による技術革新も進め、今後も事業拡大に力を入れる方針です。。

日本国内のサーモン養殖の目標は前述の通り、2030年でギンサケ1万トンを目指していますが、海外(チリ、オーストラリア他でサーモントラウト、ギンサケ、アトランティックサーモン)では2025年実績3万4千トンを2030年にはチリで約8万トン強、その他地域で約1万トンの養殖を計画します。つまり、日本国内での計画約1万トンを含めて年間約10万トン強の原料アクセスが可能になる見込みです。

◆鳥取・境港、新潟・佐渡、岩手の三拠点、という強み

ニッスイサーモンの鶴岡社長からは、国内養殖サーモン事業の概要と今後の取組みについて説明がありました。それによると、さけます類の需要が高まる一方で漁獲量は減少していて、今では過去のピークの5%ほどになっています。つまり、養殖への期待は大きく、既に昨年度は漁獲を上回り養殖比率が50%を超えているようです。

ニッスイの国内サーモン養殖の歴史は古く、1986年から宮城県女川でスタートしています。2011年の東日本大震災による壊滅の前は、年間2000トンを生産する拠点でした。それがゼロになった震災後は、鳥取の境港に拠点を移し、2012年から水揚げ開始。続いて新潟の佐渡で2016年から、岩手は2020年から大槌での水揚げを開始しています。昨年度で既に大震災前の倍以上の水揚げとなっていますが、さらに今年、陸前高田の漁場が本格化、大船渡では試験養殖がスタートしています。

ギンザケは水温20℃を超えると死ぬリスクがありますが、3拠点で取り組むことで西の方から水温上昇に合わせて順次水揚げができ、3月末から7月まで、鮮度の良いサーモンが長期にわたり提供できるという強みを発揮しています。「当社は、マーケットへのアクセス力、気候変動などのリスク対応力があり、さらに種苗生産から養殖、加工、物流、販売まで全て自社で回すフルバリューチェーンを持っていることで、お客様の声をダイレクトに反映して生産改善できるという強みがあります」(鶴岡社長)

◆豊富な地下水を利用して養魚場

サーモン養殖は、採卵・ふ化、淡水養魚場、海面養魚場と場所を移しながら魚を育てていきます。写真は昨年10月から稼働開始したニッスイサーモンの気仙川養魚場です。秋サケ(白サケ)ふ化場を活用する養魚場です。白サケの漁獲量減少に伴い、岩手を中心に40拠点ある白サケふ化場は、現在数拠点の稼働にとどまっているそうで、目的外の使用を申請することで、自前の種苗生産拠点を増やしていく取り組みがスタートしています。白サケふ化場は、豊富な地下水を利用する設備があり、養魚場に最適です。

直径15メートルの水槽を上から見るとこんな感じです。黄色いロープは、鳥の侵入を防ぐものです。「飼料は成長に合わせて大きさを変えていきまます」と淡水課の渡邊祐介課長。

飼料を撒くと幼魚が飛び跳ねます。4月に5gだった稚魚は、10月までにこの水槽で200gにまで育って海の生け簀へ移されます。そして13倍の2.6㎏以上に育てられ、5月半ばから水揚げが始まります。

◆水揚げ・鎮静→ニッスイ伝統の活〆(いきじめ)処理で差別化

早朝の広田湾での水揚げ風景をご紹介します。きれいな海です。

陸前高田では、25mサークル・1基100トンの(サーモンを育てられる)生け簀2基配置して養殖を行っています。それぞれの生け簀の様子は、スマホでも担当者がチェックできる、リアルタイムの映像で管理しています。試験養殖から今回までは25mサークルの生け簀を使用してきましたが、今年秋からは50メートルサークル・1基400トンの水揚げが可能な生け簀×5基体制で、より効率よく生産性を上げる予定です。

生け簀から出荷用の小さい生け簀に生きたまま移して、岸壁まで。そこから網ですくい上げています。

水揚げ直後に「電機鎮静化テーブル」(中央)にサーモンを移します。㊨奥の活〆作業をする作業台に繋がっています。

で鎮静化、いわば電気で気絶状態になったサーモンを活〆します。活き〆処理は「ニッスイサーモン」のこだわりの工程。一般的には水揚げしてそのまま魚函に入れる「野〆」です。活〆は魚体があばれないので、筋肉組織が保たれておいしさに繋がります。血抜きもされますので、臭みもありません。

べテランの漁師が活〆をします。

専用のナイフで、一気に行います。

 

トラック(奥)に次々と積み込まれ、一時処理場や加工場へ向かいます。当日は取材班のために少し遅めの作業でしたが、通常は夜明けと共に作業が始まるそうです。陸前高田市では事業化1年目の今年、約300トンの水揚げを見込んでいます。

陸前高田市には、東日本大震災の津波被害後も残った「奇跡の一本松」があります。崩れたユースホステルの建物とともに、記憶をとどめるために保存されていて、訪れる人が絶えません。周辺の民家、施設は全て移転して、何も無い土地が広がり15年を経てもその傷が深いことを見せています。

三陸の地でサーモン養殖が再開し、海を守るサステナブルな産業として本格化したこと、のんさんがPRする「ニッスイサーモン」が誕生したことは、地域振興の大きな活力になることを実感しました。

◆加工、出荷もスピーディに~グループ企業・武蔵野フーズ

ニッスイサーモンの水揚げ後の加工工場も見学しました。漁港近隣、陸前高田市気仙町のニッスイグループ企業、㈱武蔵野フーズです。

成田聡社長(写真)から地元との連携を大切に、「ニッスイサーモン」の加工事業に取り組む姿勢をうかがいました。同社は、主に寿司種を加工する水産加工会社ですが、三陸での「ニッスイサーモン」事業本格化により、サーモン加工事業も柱に一つになりました。

頭と内臓を取り除いた「ニッスイサーモン」が入荷すると、

おろし作業を経て、加工場へ、

丁寧な骨取り作業を行い、

包装、出荷へ。

チルドと冷凍の両方に対応しています。「サーモンの仕事が加わることで原料ソースが増えました。新しい御取引先も増えています」(成田社長)

ふるさと納税も取り組んでいるそうです。

 

 

 

 

 

 

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