キンレイ、建設中の「亀山工場」は自動化、省エネ、環境対応 来年3月に『お水がいらない』シリーズ製造ライン稼働へ
キンレイの2023年秋冬新商品発表会で、新商品に次ぐトピックスは、白潟昌彦社長から報告された、現在建設中の第3の生産拠点、「亀山工場」の進捗状況でした。
亀山工場といえばシャープ亀山工場を思い浮かべる方も多いかと思いますが、その三重県亀山市「亀山・関テクノヒルズ」内の北部2区画を取得して建設が進んでいます。
初披露の完成予想図です。面積約10800坪は、既存の大阪工場(2017年~、約4500坪)の約2倍規模。年内12月には建物が完成、設備導入を進め来年3月竣工時にはテストランをスタートする予定です。第一期は、工場内で『お水がいらない』シリーズの1ラインを稼働予定。工場内には、もう1ラインを増設できるスペースを確保します(第二期:目標2027年)。余剰の土地約4割を残してのスタートになります。また、新工場稼働後、その翌年は既存2工場で設備投資をする計画も示しました。
キンレイの2023年3月期業績は、純売上(食品売上)150億円(前年比99.7%)。コストアップを背景に減収減益。新年度は売上目標156億円です。既に筑波工場、大阪工場の2工場での生産キャパシティがいっぱいであることから、今期まで、新工場稼働までは、生産数量横ばいの中でどう売上、収益を伸ばしていくかが課題です。
白潟社長は就任2年目にあたり、従来からの企業理念、行動指針に加え、重点施策5項目、①「組織力」の強化②「人間力」を高める③「仕組み」の強化④「挑戦することを恐れないこと」⑤「環境経営の視点」強化を掲げていると披露し、「3工場目の建設はまさに挑戦」と語りました。
森江康行常務取締役営業本部長は、市場環境を語る中で、同社の主力商品群となっている冷凍ラーメンの市場が、5年前に比較して170%に成長していることを示しました。同社の前期食品売上150億円の内訳は、量販店ルート64億円、CVSルード45億円、生協ルート35億円、業務用35億円で、前年比では、生協(102.3%)、業務用(114.9%)が伸長しました。昨年度は下期以降、取り扱い店の増加があって伸長、新年度第1四半期も前年同期比102%の売上と好調を示しました。今年度の営業本部方針、ミッションを掲げ、「オンリーワン企業」としての需要創造、顧客満足度アップに取組むとしました。
齊藤克敬商品本部長は、「うどん市場を盛り上げていきたい。もっとポテンシャルがあるはず」と語りました。今秋冬に注力する『具付きうどん』新商品により、話題作りに取組んでいく方針です。
キンレイでは、うどん類の売上に季節変動があることから、具付きラーメンに注力してきました。
前年度の売上トップアイテムは「ラーメン横綱」、次いで「鍋焼うどん」、「横浜家系ラーメン」、『札幌味噌ラーメン」、「塩元帥 塩ラーメン」、「四海樓監修ちゃんぽん」と続きます。
㊧から、商品部の若生氏、森江常務、白潟社長、齊藤商品本部長です。今回は『うどん』注力シーズンとのことで、大々的発表はなかったですが、若生氏が掲げる商品は、レンジ対応の新商品「汁なし朝担々麺」です。