第27回食品冷凍技術懇談会 西川剛史氏「冷凍食品の本」発刊記念会~「ホームフリージングが産業発展のベース」(鈴木徹先生)
鈴木徹先生(東京海洋大学特任教授)が主宰する食品冷凍技術懇談会(事務局:テックデザイン、協力:冷凍食品エフエフプレス)は、1月23日、『冷凍王子』として活躍する西川剛史氏(冷凍生活アドバイザー)の近著「冷凍食品の本」(自由国民社刊、2022年12月)発刊を記念して、第27回オンライン勉強会「冷凍食品の変遷(いま・むかし)と将来展望」を開催しました。
「冷凍食品の本」の中で、技術関連の解説は鈴木先生が監修、冷凍食品の歴史に関する内容は、山本純子が監修しました。
「ホームフリージングの本は多数出ているけれど、『冷凍食品の本』は、一般の方にもかなり分かりやすく冷凍食品を解説している。今までになかった本」と鈴木先生。先生の冒頭提言は、「ホームフリージングの広がりと冷凍食品産業の関係」でした。
「実は、ホームフリージングをみんなが美味しく体験することによって、冷凍食品の価値が再認識される。そして、両者が併行して増えていく。それに関与していくのが学術やメディアの役割」と鈴木先生。業界関係者にとって刺激的な提言です。
西川氏は、「冷凍食品の本」の巻頭マンガで紹介されている、“冷凍食品にハマるきっかけ”、あんかけ五目焼そば(JTフーズ:現テーブルマーク、現在終売)の思い出を熱く語り、著書の概要を説明しました。
エフエフプレス新刊紹介「冷凍食品の本」
山本は、監修した年表や“冷凍食品トリビア”に関連して、歴代のヒット商品を挙げながら冷凍食品史を振り返りました。
鈴木先生から「食品冷凍技術史も残し、未来へ繋げていくべきではないか」との意見も出ました。冷凍食品は、食品の栄養をはじめ機能性をキープする手段であること、良質な食品をそのままキープできるシステムであるという認識を広めていくことが重要で、それが新たな冷凍食品産業の発展につながるのだと確認する勉強会になったと思います。さらに『冷凍処理』というアニサキス食中毒対策の話が飛び出すなど、冷凍に関する話題は尽きませんでした。