FOODEXステージ パネルディスカッション「フローズンフーズがもたらす小売ビジネスの変革」満席に
FOODEX JAPAN2021会場内のFOODEXステージで3月11日午後、冷凍食品・アイスをテーマに「フローズンフーズがもたらす小売ビジネスの変革」と題するパネルディスカッションが開催されました。パネリストは、FOODEX JAPAN 企画委員会委員長を務めるイオンリテール(株)執行役員食品本部長の七尾宣靖氏㊥、同委員会副委員長の三菱食品(株)常務執行役員営業統括代行兼低温事業本部長小野瀬卓氏㊨、そしてファシリテーターは、「冷凍王子」として活躍する冷凍生活アドバイザー、ベフロティ(株)社長の西川剛史氏。
セミナーステージ会場は開場前から行列ができて満席となりました。このパネルディスカッションは昨年の展示会で企画されていたものですが、昨年展示会そのものが中止になったため、1年越しの開催です。でも、この1年でフローズンフーズを取り巻く状況は一変、業務用市場が大きく低迷する一方、家庭用市場は大きく広がりました。「加速度的になくてはならないものになった」(七尾氏)、「従来から伸びていたが更に飛躍した1年」(小野瀬氏)となりました。冷凍食品に対するマイナスイメージはかなり払しょくされてきて、「冷凍食品をうまく使えなければ賢い消費者とは言えない、という感覚にまでなってきている」(小野瀬氏)。「昨年、冷凍餃子が手抜きというTwitterの話題に対し、味の素冷凍食品が大きな台所で手間をかけている、『手間抜き』だというツイートをして44万いいねがついた」(七尾氏)といった話題が交わされました。
美食女子Awardスペシャルアンバサダーを務めた西川氏は、エントリー商品の中からピックアップした注目商品を解説。パネリスト2氏もコメントしました。
西川氏の注目商品は、
ハインツ日本の「おはようカップ」。家庭にある卵を1個入れてレンジで簡単に緑黄色野菜入りのオムレツができます。スペイン風オムレツと和風オムレツの2種類。ハッシュドポテトを「おはようポテト」と名付けて人気商品に育てているハインツ日本『オレアイダ』ブランドの新商品です。「朝食」向け商品に期待する西川氏に呼応して、七尾氏も「野菜がとれて簡単で美味しい商品」、小野瀬氏も「朝食向けは業界の大きなテーマ」と開発が進むことに期待しました。
西川さんが挙げた2品目は、
ライフフーズの「ミニオンズポテト」。西川さんのオススメはフライパン調理で、ゴーグルの部分に焦げ目がついて、形がくっきり。ポテトとしても美味しいと高く評価しました。
3品目はイートアンドフーズの「大阪王将 羽根つきスタミナ肉餃子」。「ニンニクは女性にも人気。マスク生活で気にならないかも」と美食女子Awardへのエントリーを評価。
西川氏注目の商品5品目は、味の素冷凍食品の「大海老焼売」。「トレンドはレストラン気分。シュウマイ戦争が起こるかも」と西川氏。「プロの味の本格派は拡大のチャンス。この領域の開発を進めてほしい」(七尾氏)、「餃子に続き焼売も冷凍食品の主力になってきました」(小野瀬氏)とパネリスト二氏も賛同しました。
続いて、ニップンの「REGALO 香り立つジェノベーゼ」です。「家飲みを楽しむ1品。ペンネリガーテを使っていて粉チーズが別添」(西川氏)とワインで楽しむお家居酒屋に最適メニューとして注目。
また、スイーツではハーゲンダッツジャパンの「ミニカップDecorations 抹茶チョコレートクッキー」、業務用ではベジタリアン向け餃子、イートアンドの「大地の恵み餃子」をピックアップしました。
イオングループで取り組む「Picard」、三菱食品の糖質コントロールPB「からだシフト」の話題も盛り込みながらとバラエティに富んだ1時間のディスカッションでした。最後に「フローズンフーズは、社会全体が求める大事なカテゴリー。拡大していきたい」(七尾氏)、「FOODEXで注目するのことは意義が深い。より良いものにするべく努力したい」(小野瀬氏)と締めました。