「食」の落語を初体験、給食のうどんはおかわり!みそ豆完食!~キンレイ心染プロジェクト出張落語会(埼玉・志木小)
「ずずっずー!」学校のホールにうどんをすする音が響きます。最初は隣のクラスメイトと目を合わせて、くすくす笑って照れていた子も、周りの友だちが一生懸命になってくると、さっき聞いたばかりの落語「時うどん」のシーンを思い浮かべながら「ず、ずー!」
「みそ豆」の落語は、熱々をつまみ食いします、「ふーふー、、」「はふはふ」、「ごっくん」。まるで食べているように、上手い上手い。
初めて聞く料理だけど、みそでお豆を煮たもの?「だんな」も「さだきち」も美味しくて止まらないってどんな味? 今日の給食のメニューだよね、楽しみ!子どもたちのワクワクした気持ちが伝わってきます。
昨年12月、埼玉県志木市立志木小学校で行われた“心に染みる”出張落語会を見学しました。心に染みる味と文化を伝える、食文化×落語、「キンレイ心染プロジェクト」の活動です。冷凍鍋焼うどんのキンレイが和食文化啓発活動の一環として実施している同プロジェクト。自治会、敬老会、老健施設、学校へ、14大学の落語研究会が加入し、40名の学生落語家が活躍中です。
学校での実施は、給食とのつながりもあって、食育と伝統文化の総合学習に絶大な効果を生んでいます。志木小学校での実施は、昨年度に続いて2回目です。
さて、スタート。6年生3クラスの子どもたち、先生に促されると「じゅげむ」をそらで言えるんです。勉強してますね。
まずは、キンレイの心染事務局からご案内。
続いて登場したのは、(左から)いろいろ楽しく教えてくれる重藤暁先生(落語研究会OB、大学院で古典落語を研究中)、学生落語家の橘亭カレーぱん(東京経済大)、緑月亭桔梗(桜美林大)、田町家麦丸(法政大)が登場。演じるのが若いお兄さんやお姉さんなので、こどもたちもグッと引き込まれていきます。
「落語」ってなぁに?というタイトルで学びます。重藤先生が舞台を行き来して熱弁の解説。
「10分くらい、できれば正座で!」、いよいよ演目、「みそ豆」を桔梗さん。
続いての「時うどん」を前に、うどんの食文化を解説。
「時うどん」を演じるカレーぱんさん。うどんを食べるシーンに釘付け。
そして、次は、落語に挑戦!
食べるしぐさをやってみます。グループ別に指導してもらいました。
「みそ豆」も演じてみます。
右を向いて話したら「だんな」、左を向いて話したら「さだきち」。
最後は、「高座で演じてみよう!」 各クラスから代表が出て、食べるしぐさを演じます。爆笑!拍手!で盛り上がりました。
当日は、市教育委員会が視察。子どもたちが引き込まれ、熱演する姿に笑顔がこぼれます。体験型総合学習の成果が高く評価されています。
「昨年来られなかったので今年はぜひにと思ってました」と尾崎健市教育長。
そして「交流給食」。尾崎教育長、本莊真教育政策部次長兼学校教育課長、学生落語家が6年生のクラスで児童と一緒に給食を食べました。
メニューは、総合学習に連携した「しっぽくうどん」に「みそ豆」です。
うどんは、埼玉県の地場産小麦粉で開発した学校給食用冷凍めん「さきたまうどん」です。みそ豆は、栄養教諭猪瀬里美先生の考案。美味しいと大好評。
児童と共に給食を食べる教育委員会本莊真次長、フットワーク軽く各クラスを回る猪瀬里美先生。
うどんのおかわりに行列!
志木小学校の磯真砂子学校長㊧、栄養教諭の猪瀬里美先生㊨。
「落語に触れる機会はなかなかないですから、ありがたいプロジェクト。昨年も6年生の児童が非常に楽しんで学びました。児童は、学習と密接な結びつきのある献立を喜んで食べます。猪瀬先生は指導に熱心。食育に理解を深めてもらう職員の研修も行ってくれます」とキンレイの活動に感謝し、献立を生きた教材にする熱意あふれる猪瀬先生の指導を絶賛。
充実した掲示物。給食委員は毎日きちんと活動しています。
「みそ豆に使用されていたひみつの食材は何?」 児童は一生懸命味わって書き込み投函します。答は「きんときまめ」でした。
猪瀬先生は同校に着任して3年目。残食10%を超えていたところから改善を進めてきました。今や5%を超えることはないそうです。食事のために運動をしっかりと、その前に良い姿勢から始め、生活の中で体力アップを図ってきたそうです。情報発信力にも驚きます。
「食べることは生きること。献立が教科書」、心を込めてつくる学校給食で元気に!という思いが素敵でした。