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勝美ジャパン「冷凍蒸大根」の便利さおいしさの理由~インドネシア PT.TOBA AGRO ABADIリポート

味がよくしみこんだ大根の煮物、おいしそうです。これが加熱調理時間40~50分と聞いたら、誰しも「えーー?!」と驚くと思いますが、それができるのです。
なぜなら、それは、もちろん、「冷凍だから」。

㈱勝美ジャパン(本社・東京、山崎裕康社長)の「冷凍蒸大根」です。穫れたて大根をすぐ工場に運んで、洗ってカット・皮むき・蒸してから凍結。スピード感がありますので色も真っ白。型崩れなく、サイズもよく揃っていて、きれいです。

主に業務用市場、特にメディカル給食(病院や老健施設などの食事)の現場で大人気の冷凍野菜です。

家庭用商品もありますので、これは多くの方々にぜひ使ってみてほしい。
おでんの季節は過ぎましたが、おでん種の中で大根だけは下茹でから半日かがり、、、、そんな苦労もなくなります。少量調理の家庭用の場合、レンジ解凍もOKです。

家庭用パッケージの裏面には、レンジで解凍してから大根ステーキにするメニュー例が記載されています。

その便利でおいしい、冷凍蒸大根の生産現場をインドネシア・北スマトラで視察してきましたので、勝美ジャパン・インドネシア事業リポートの最後にご案内します。

工場は、勝美ジャパンの長年のパートナー企業(協力工場)、PT. TOBA AGRO ABADI(本社:メダン、Ricard Ryanto社長)のシランド工場です。エフエフプレスでは既に、勝美ジャパンの無加熱摂取葉物野菜専用工場として稼働開始した同社新工場、ロブシレガー工場を紹介しましたが、シランド工場も同じシボロンボロン群内です。シランド工場は、同社第一工場の位置づけです。

一直線の一貫ラインで製造する新工場とは対照的に、シランド工場は、同時に多品種の冷凍野菜を製造する工場です。

視察当日も大根、大根おろし、さつまいも加工品など、さまざまな製品を効率よく製造していました。多品種を製造するシランド工場の中でも、最も比率が高いのは、菓子メーカー向けのさつまいも一次加工品とのことでした。

◆畑からすぐ工場~「冷凍蒸大根」ができるまで

冷凍蒸大根の製造工程を紹介します。

PT. TOBA AGRO ABADIの自社農場で管理、栽培された大根は、収穫直後、葉をカットして工場に搬入します。畑から工場までは20分ほど。高鮮度の原料を自社で計画的に加工できるのが同社の強みです。

畑のリポートでもご紹介しましたが、現地は高原地帯で一年中ほぼ安定した気候ですので、穫れたて大根は常に「旬」と言っても良いでしょう。

トラックの荷台いっぱいの大根が工場に到着。


そして製造工程に入る前の洗浄。


工場棟に入ってからも洗浄工程を経て(奥が搬入口)

輪切りした大根をスパッ!と皮むきする工程には感動を覚えます。ほかにも、工夫を凝らした自家製器具で、イチョウ切りなど、さまざまなカットが同時進行していきます。

下処理した大根の輪切りはサイズ別に分類。

端材も活用します。

 

細かくカットして隣室の大根おろし製造工程へ流れていきます。

実に効率が良いこと、そして1本の大根をスピーディに様々な製品に仕上げていくラインの工夫に感心しました。

通路を隔てている部屋では、サツマイモの加工が行われています。大根の加工室と同様、常に衛生的な環境で効率よく、丁寧な作業が進んでいました。

冷凍蒸大根の工程に戻りましょう。

カット後洗浄した輪切り大根は、サイズ別にラックに並べて、蒸し工程へ

蒸す下処理(スチームブランチング)は、茹でる下処理より手間暇がかかりますが、野菜の旨みがギュッと凝集されるのが特徴です。
そして急速凍結。あとは、包装、検品工程へ。この素早く丁寧な工程により、フレッシュで、調理がしやすくて便利でおいしい「冷凍蒸大根」が出来上がります。

包装した製品に記載する原材料名は「大根」のみです。最初の家庭用パッケージに戻って確認してくださいね。

◆事業は進化形、隣接地に新製造棟の建設を予定
今回のメディア取材に同行した、(写真左から)勝美ジャパン製造部の和田チーフ、金原氏、荒川取締役と、PT. TOBA AGRO ABADIリチャード社長。工場内視察を終え、工場裏手に回ると広い空き地。「ここに新しい製造棟の建設を予定しています」とリチャード社長。ロブシレガー工場を新設したばかりで、もう次の拡張予定を立てているとは、驚きです。

ロブシレガー工場で確信を得た効率の良い一直線の製造ラインを構想中だそうで、「良いと思ったらすぐやる、カウボーイ精神ですよ」とリチャード社長はにこやかに語りました。

野菜生産に向く土地、北スマトラのトバ高原での主要作物はコーヒー豆。その地域で約30年、日本向け加工野菜の製造で孤軍奮闘するリチャード社長は、「カウボーイ精神」を持つ意欲的な事業家。若い世代の雇用創出にも貢献してきました。リチャード社長は「勝美ジャパン山崎社長とは30年という長い道のりを共に歩んできました。特別な信頼関係があります」と語ります。

遠い国から来る冷凍野菜ですが、良いものづくりを思う心はつながっているのです。

 

 

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