多彩に、需要先も広がる冷凍食品トップアイテム「ポテト」:FABEX2025で競演
日本食糧新聞社主催の「FABEX(ファベックス)東京2025」展は、会期3日間(4月15日~17日、当東京ビッグサイト)で5万6,685人の来場者を集めて賑わいました(合同開催展含む) 。アヌーガ・サレクト・ジャパン、ProWine Tkyo展など、国際展の要素も強くなってきた会場で、冷凍食品の最新情報を得るべく取材しました。

業務用専門展(惣菜デリカ・弁当・中食・外食・給食・配食)として今回が29回目のファベックス会場で、冷凍食品関連を見ていくと、やはり今回も目立ったのは「ポテト」。

「日本で一番食べられている冷凍食品は?」とクイズを出すと、「餃子」「コロッケ」「うどん」などを答える方が多くいて、なかなか正解が出てこないのですが、答えは「ポテト」。輸入冷凍ポテトだけで、昨年は42万3658トン。冷凍食品国内消費量全体の14.5%を占めます。
日本冷凍食品協会では、国内生産量(2024年153万7,854トン)と、冷凍野菜輸入量(同116万7,504トン)と調理冷凍食品輸入量(同21万9,153トン)を合計した292万4,514トンを「日本の冷凍食品国内消費量」としています(下表)。その3つの統計数値から品目を多い順に抽出して並べてみると、「ポテト」(輸入)がダントツ1位。


冷凍食品の国内生産量は2年連続減少し、一方で生産金額(工場出荷額)は2024年が過去最高で8,000億円を突破、8,006億円(前年比102.6%)でした。円安によって価格は上昇しています。一方、冷凍野菜輸入量は、 前年比104.3 %と 増加、輸入額は、3,312億円( 10 8.9 %)と共に過去最高を記録しています。冷凍野菜輸入量は、そのうち国内生産量に追いつくのではないでしょうか。
輸入冷凍野菜に占めるポテトの構成比は36.3%です。ポテトの需要先はほとんどが業務用で、主にハンバーガーチェーンなどファストフードのフライドポテトや居酒屋のおつまみになりますが、「近年は需要先がどんどん広がっています。例えば、回転寿司のメニューや、お惣菜の1品にも」と話してくれたのは、ラム ウェストン ジャパンの梅原真一社長。

経時変化に強いポテト、つまり時間が経ってもサクサク感があるものは、カットした表面に薄い衣をコーティングをするのですが、それとは分からないくらい目立たないコーティングで人気の『ステルスフライ』シリーズは、デリバリー需要が伸びたコロナ禍中にブレイクしました。そして、さまざまな業態で新しい需要層を開拓しています。「さらに新しいユーザー層にアピールしていきます。未導入のアイテムも需要先に応じて対応できます」(同社長)とラム ウェストンでは積極的なメニュー導入提案を進めています。

今回の大型設営ブースは、4月初旬シンガポールで開催されたFHA 2025 – Food & Beverage展と同じグローバルデザインで、従来の同社展示とはガラッと雰囲気が変わりました。大小の液晶画面で目を引く動画、そして試食、メニュー展示、商談テーブルも備えていました。
下段パッケージはヨーロッパ産ポテト。日本向けパッケージは、近年、お得感のある大袋商品として、スーパーマーケットルートにも導入されているとか。
シンプロット・ジャパンは、ポテトとアボカドで大型ブースを出展。
アボカド製品は、厨房の作業を軽減できるハーフカットの個包装、メキシコスタイルのディップ「ガカモレ」各種が注目を集めました。
フライドポテト各種、さらにスイートポテト(さつまいも)フライも試食PR。
日本マッケイン・フーズのブースです。マッケインは家庭用でも、イオンリテールの「@FROZEN」に導入されていますので生活者の方々にもなじみ深くなってきていると思います。
今年は、飲み会の席でも最後までクリスピー感を保つ「シュアクリスプ マックス」を新提案。導入外食店でキャンペーンも展開して好調が続いているそうです。
最新商品は、写真右上の積み上げられた「スティックハッシュブラウン」。
ハッシュブラウンというと朝ごはんが定番ですが、形を変えて、おつまみ、お弁当、ビュッフェにとメニューを広げていけます。






