中国産冷凍野菜の「安心」を伝えたい 安全を実現してコミュニケーション強化~品質保証へ弛まぬ努力に触れる
中国・響水県で、11月22日会議、23日ブロッコリー圃場・工場見学(銀河食品)と充実した内容で開催された、「第12回 日中冷凍野菜品質安全会議」(主催 中国食品土畜輸出入商会・輸入冷凍野菜品質安全協議会:凍菜協)に参加。凍菜協設立から今年で20年、残留農薬問題の解決に、日本の冷凍野菜業界が手を取り合い(現在21社加盟)、現地生産者とのコミュニケーションを深め、栽培管理と検査の充実に努力してきた成果を目の当たりにしました。
凍菜協の活動を説明した中井清典会長です。写真は中国語なので、下に日本語資料をお借りして掲載します。
このような努力とコミュニケーション深化の結果は下記の通り。
中井会長の説明では、「輸入時の違反数が半減しているように見えますが、凍菜協メンバーだけで見れば、さらに減ったというイメージです」。
気候変動への対応など掲げた課題は、中国土畜商会の于露副会長と共有するものでした。より一層「品質と技術の向上」を目指し、日中企業間の協力によって、新たな課題解決を進めていくことを語りました。
新たな課題の1つには、農薬のドローン散布による新たなドリフト汚染問題(管理農地以外の農地で散布したものが風の影響で飛散すること)もあります。人手不足への技術面での対応が新たな課題を生んでいるわけです。これは既に日本企業と現地パートナー企業との間で、防止対策の取組みが開始されています。
金子茂靖副会長の講演では、20年間取り組んできた成果を示すと共に、新たな課題に取り組む提案として、日中企業が協力しての「品質技術部会」の開催を挙げました。
冷凍食品ジャーナリスト山本純子は、「日本の冷凍野菜トレンド」をテーマに講演。
本題に入る前に自己紹介。そして、「冷食 OK!」のポーズを解説して、、、
ご出席の皆さまにもポーズを決めていただきました♡ 日中冷凍野菜 OK! 嬉しかったです。
もちろんまじめに、日本のトレンド、消費動向などをご紹介。
凍菜協幹部からも紹介された安全性の向上については、主要国との比較数値で紹介しました。
中国産食品の安全性は、主要輸入相手国8カ国中第2位。しかも1位のフランスは、輸入品の多くが飲料(ワイン他)のため、純粋に食品における違反率の低さは中国がトップだろうと推測できます。詳細はこちら→『冷凍食品についての素朴な疑問シリーズ』 コロナ禍後の中国食品の品質は大丈夫ですか?
日本の消費者は、中国産食品に対して古い情報のままイメージが定着していて、上記の「エフエフプレス」のQ&A記事には今でも多数のアクセスがあります。なんとなく不安、、、という方々に安心いただけるように、数値を更新しながら正しい情報発信していることをご紹介しました。
日本の冷凍食品の消費量は、国内生産154.5万トン、輸入冷凍野菜111.9万トン、輸入調理冷凍食品21.5万トン(冷食協会員調査)を合計した288万トンです。つまりその39%が輸入冷凍野菜。そして輸入冷凍野菜のうち半分近くが中国産冷凍野菜です。
冷凍野菜の中では、ポテトがダントツの1位なのですが、次に、ブロッコリー、えだまめがトップテンに入ります。トップテンランキング外ですが、5万トン強のほうれん草(主に中国産)が野菜第4位です。
最後のまとめでは、山本がかねてより主張している、生鮮三品(肉、魚、野菜)、生鮮四品め「惣菜」(消費期限は約1日)、生産五品め「冷凍食品」(鮮度を保っていて賞味期限が長い)をご紹介しました。
講演後、多くの方から共感の声をいただき、意を強くした次第です。