2024年初にあたり 正しく冷凍食品の価値を伝える年に
2024年、新たなスタート!さあ、今年もがんばろうという元日の夕刻、石川能登での大規模地震発生。全容がまだ分からない状況が続く。被災された方々に心よりお見舞い申し上げると共に、一日でも早く安らぎが戻ることを祈るばかりだ。
翌2日夕刻には、羽田空港で信じられない衝突事故。人災と思われる大きなアクシデントである。この事故による航空機利用者への影響は19000人と聞いた。実は私もその1人。未だ帰宅の途に就けずにいるが、友人知人の協力を得てなんとかメドが立ったところだ。
天災や事故の予測、予想はできないのだが、2024年が暗雲に苛まれる年にならないようにと願う。互いに心を通わせ、力を合わせて生きることが、どれほど大切かと改めて思う次第。
さて、冷凍食品業界の今年はどうか。コロナ禍中に生まれた家庭用冷凍食品の新規需要は、新たなユーザー層を得て膨らみ、さらに、昨年後半は業務用市場ニーズの回復があって業界に活気が戻った。そして今年は、さらにその活力を大きくする年になっていくだろう。
コストアップを背景に今春も新たな価格改定が予定されている。物流の2024年問題もどのように負荷がかかってくるかは、正確には予測できない。それでもなお、引き続き活力のある業界、価値のある商品を供給する業界として人々の役に立ち、発展していくことを確信する。
年末に2024年の予測を聞かれ、冷凍食品業界は今後も右肩上がりとした。その理由は、家庭用市場ではユーザー層が厚くなり、さまざまなマーケットが広がっていること。業務用市場では、深刻な人手不足に悩むフードサービス産業にとって、最も頼りになるパートナーになり得ることが大きな理由である。それは日本に限らず世界規模で起こりつつある。
そんな話題の中、高島屋の冷凍クリスマスケーキ事故が起こった。複数メディアに意見を求められ、「個別の事故事例であり、冷凍食品、冷凍の持っている価値は揺らがない」と発信した。メディアは、勢いよく伸びる冷凍食品需要に冷や水だとはやし立てたかったようだ。当事者が原因を特定できないと発表していた中で、業界をよく知る立場から発言することにはリスクを伴うとは思ったのだが、発表されている情報から、生産段階の不備が推測できると伝えた。
※テレビ朝日「モーニングショー」2023年12月29日放送より
かつて、業界で発生した個別事案、事件が大きな波紋を広げた。しかし、冷凍食品そのものの価値が広く理解されていたなら、流通も消費者も、もう少し冷静な反応であったはずだ。
冷凍食品・冷凍の領域が広がり、人々に注目されている今こそ、業界挙げて冷凍食品の持つ真の価値、冷凍がもたらすメリットを正しく訴え、広めていかなくてはならない。そのサポートになるなら、時間、努力を惜しまない、と誓った新年である。