台湾産冷凍枝豆・おいしさのヒミツ③　50年を超える日台関係者の絆　品質・安全性を高めていく原動力です

台湾産冷凍枝豆のおいしさ、品質の高さ、安全性の確保、どれも日本・台湾双方の連携、協力なくしては実現できないことです。その関係は1970年代初頭から。すでに半世紀を過ぎているパートナー同士です。
2023年12月1日、台湾高雄市の高雄圓山大飯店で、5年ぶりとなる「2023年日台冷凍農産品生産販売安全懇談会」が開催されました。
日本から、輸入冷凍野菜品質安全協議会（凍菜協）の中井清典会長（ニッスイ）、金子茂靖副会長（ノースイ）、滝澤和宏顧問（一般財団法人日本食品検査理事長）、竹内陶二郎事務局長（日本食品検査）はじめ協議会メンバー代表、また随行記者団含め30名が出席しました。迎える台湾側は、台湾區冷凍蔬果工業同業公会の魏東啓理事長、楊煜德同業公会・冷凍豆類小組召集人、劉貴坪元理事長、蔡敬虔前理事長はじめ生産企業から44名が出席。また、来賓は台湾政府農業部（今年8月農業委員会から部に変更）を代表して国際事務司の林麗芳司長、同司の郭俊伶國際行銷科長はじめ行政関係者29名。100名を超える盛会でした。

開会にあたり魏理事長は、「コロナ禍が明けての懇談会を大変嬉しく思います。私たちは安全性が高く高品質の冷凍枝豆を生産し、日本で16年連続トップシェアを維持しています。本日ご出席の皆さまのお力によりさらに大きな発展を信じています」と挨拶しました。

来賓代表挨拶は、農業部林司長。「冷凍枝豆輸出は3万6千トン、8000万米ドルの実績と大きな成果を挙げています。収穫から4時間以内に製造される台湾のおいしい冷凍枝豆は、日本の枝豆市場の4割を占めています」と重要な輸出製品として高く評価しました。また、1971年、台湾冷凍枝豆の生産技術指導により大きな成長に導いたノースイに「特別功労賞」を贈ることを発表。「厳しい環境に対し日台の力を合わせてチャレンジしていきたい」と語りました。
続いて経済部の国際貿易署高雄事務処の盧惠珠主任が「開会前会場に流れていた『枝豆の歌』を聞き、心が熱くなりました。枝豆はじめ台湾産品を積極的に紹介するために、来年もFOODEX出展、9月には関西でも見本市に参加します。枝豆は台湾と日本を橋渡ししてくれるもののひとつ。まめ、という言葉は、堅実に努力するという意味があると認識しています。今後も真摯で、まめな努力によりさらに強い関係にと願っています」と祝辞を述べました。
日本側代表挨拶に立った凍菜協の中井会長は、「春作枝豆は天候不順の影響を受けましたが秋作は順調と聞き、嬉しく思っています。皆さまのご努力に感謝申し上げます。異常気象が日常化して、生鮮野菜の高騰により冷凍野菜の需要が伸びています。また価格安定だけではなく、簡便性が評価されていて、この市場変化に対応していく所存。日台会議も来年で20年となります。これからも日台関係のますますの発展を祈念しています」と述べました。
農業部林司長から特別功労賞を受けたノースイの森瀬公一社長㊨です。
表彰登壇者が揃って記念撮影。（㊧から）魏理事長、姚志旺農業部農糧署副署長、ニチレイフーズの坂井利彦品質保証部海外品質管理グループリーダー、東洋水産の岩越翔太品質保証部担当、ニッスイの中井清典品質保証部長、宏偉冷凍食品股份有限公司の林秀美董事長（イオントップバリュ表彰代理）、マルハニチロの綿引建司執行役員、Wismettacフーズの又野壮一執行役員、ノースイ森瀬公一社長、農業部林司長。

日本向け枝豆での表彰以外で、東洋水産は日本向けほうれん草での表彰、Wismettacフーズは欧米向け枝豆での表彰です。綿引氏、岩越氏、又野氏、森瀬氏がそれぞれ謝辞を述べました。

記念講演会は、冷凍食品エフエフプレス・冷凍食品ジャーナリスト山本純子「コロナ禍で変化した日本の冷凍食品市場～枝豆の今日、未来」。山本は日本の冷凍食品市場の変化、最新動向、冷凍野菜の動向について紹介。塩ゆで枝豆以外、むきえだまめ料理の需要開発、健康効果訴求などが冷凍枝豆の市場拡大要素と語りました。

休憩と枝豆、冷凍野菜、フルーツ、むき枝豆料理試食をはさんで、もう一つの記念講演は、南華大学の持続可能グリーンテクノロジー学位課程教授兼持続可能センターの洪耀明CEOによる「食品業のカーボンフットプリントの算定及び削減法」でした。

Q&Aでは豆類が非常にCO2排出量の低い農産物（グラフの下から2番目）という点に着目した発言がありました。

発言は、日本の冷凍食品業界人との交流も深い、台湾農業行政で農糧署長はじめ重責を歴任した陳建斌氏（現財團法人台灣香蕉研究所董事長）。
閉会にあたって前同業公会理事長の蔡氏が立ち「有意義な会でした。業界の繋がりが末長く続くよう願っています」と挨拶しました。

続いて懇親会を開催しました。