地域生協の2020年度供給高が3兆円を突破!宅配は2兆1千億円! 若い世代が加入。コロナ禍で冷凍食品伸びる
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は4月13日、2020年度(2020年4月~2021年3月)業績概況を発表しました。全国120の地域生協の同年度総供給高(売上高)は、前年比111.8%の3兆683億円となり、初めて3兆円を突破します。供給高のうち、宅配事業による供給高は2兆1,170億円(前年比114.9%)、店舗事業による供給高が9,513億円(前年比104.3%)見込です。【店舗は2月度累計実績、宅配は11月度累計実績に基づく見込み数値】
供給高アップの要因は、コロナ禍にあって宅配の利用が伸びたことですが、既存組合員の利用が伸びたことに加えて、新規利用者の増加も拡大につながりました。宅配新規利用者のうち6割以上が20代~30代の既婚者でした。
オンライン記者発表会で日本生協連の二村(ふたむら)睦子常務執行役員は、「20代~30代は今までアプローチしきれなかった年代。新規利用者の7割が今後も利用したいという意向です。今まで知らなかった、生協がどんなことをしているのか分からなかったけれど、利用してみると意外に良いなと思われたと思います。週1回の宅配は一見不便のようですが、利用してみると生活のサイクルに合って計画的に購入できる。注文はいつでもできて、また変更もできる。買えるものは食品だけじゃなく生活に必要なものがカバーできることも理解されました」と大きな変化を語りました。若い世代はWeb加入が多かったそうです。
(上図は当日の発表資料より)二村常務は、生協宅配について概要を解説する中で、コープみらいの配送拠点図を示しながら、「ラスト1マイルの物流うシステムを構築してきました。強みは『つながり』」と語りました。
生協の宅配事業は、組合員のグループ「班」単位に注文して届けてもらう「共同購入」として1960年代後半から始まりました。70年代前半には生鮮、冷凍、日配品の取り扱いが始まります。組合員のくらしの変化に対応して、90年代には「個配」がスタートして主流になっていきました。単身高齢者の見守り機能、高齢者や妊婦・子育て中の世帯の個配配送料を無料にする取り組みも評価されてきました。
全国の生協組合員数は、2020年度末で前年比101.2%の2,996万人となりました。組合員は世帯代表でカウントしますので、地域生協組合員数を世帯数で割った世帯加入率は、38.8%(推計値、前年比0.4ポイントアップ)となります。
日本生協連の2020年度業績は、4,397億円(前年比112.1%)でした。その中で、コープ商品(PB)事業は3,415億円(前年比109.9%)です。コープ商品では、特に農畜産品、冷凍食品が伸長しました。「若い世代のニーズで冷凍食品は大きい。手軽にできるものを揃えているし、子育て中の新規利用者が、冷凍食品の離乳食(CO・OPきらきらステップ)について、『こんな便利なものが生協に!』と驚いて、ネットでの話題になりました」(二村常務)
今年度も冷凍食品のコープ商品開発は強化していく方針です。2月から新ブランド「CO・OPサステナブル」が本格発売となりましたが、冷凍食品では、海のエコラベル「MSC認証」取得した赤魚(アメリカ北太平洋産)を使用したシリーズが注目商品です。