味の素冷凍食品 「フローズンフード テック&デザイン ステーション」世界へ羽ばたく冷食開発
家庭用冷凍食品の№1アイテム、味の素冷凍食品の「ギョーザ」は、『永久改良』がテーマです。1つの商品を磨き続け、より良く、もっと美味しくしていくことって、とてもとても大変なこと。その簡単ではないことをし続ける、すごいメーカーがAjinomoto。
なぜ『永久改良』が可能なのか考えてみると、やはり、研究開発部門のパワーに尽きるわけです。
ということで本題、味の素冷凍食品「フローズンフード テック&デザイン ステーション(略称:FTD)」のメディア開所式のリポートです。十分なディスタンスで記者会見。
ギョーザをはじめ、家庭用、業務用全ての冷凍食品、さらに、国内にとどまらず北米、フランス、タイ、中国の冷凍食品グループ企業、そしてポーランドで欧州市場向けの餃子を生産する提携企業まで、世界の冷凍食品の研究開発の要となるのがFTDです。
冷凍食品の技術開発(テクノロジー)と人々の生活に貢献する気持ちを込めた商品づくり(デザイン)を目指して、世界中の技術者が集まり、獲得したものを持って世界へ出発していく場所(ステーション)というコンセプトが込められてるそうです。佐野文彦執行役員研究・開発センター長は、「駅長さん」とのこと。味の素冷凍食品は、「世界の冷凍食品をより良くすることに貢献するチャレンジャーに」(黒崎正吉社長)なるんですね。
FTDの場所は、神奈川県川崎市川崎区鈴木町。京急・大師線「鈴木町駅」を挟んで東西にある味の素(株)の川崎事業所敷地内です。新設した「北棟」(4階建、免震構造、延床面積7,400㎡)内。北棟の総投資額は約60億円!
味の素冷凍食品の研究開発部門は、群馬県大泉町の関東工場敷地内の研究開発センターと品質管理部、そして埼玉県東松山市に生産技術開発部がありましたが、それらが移転し集約されます。これによって、味の素グループ企業食品3社の研究開発部門が集結することになります。
▲味の素坂本常務㊧、味の素冷凍食品黒崎社長㊥、佐野センター長㊨
すでに10月1から稼働しているFTD(来年1月にかけて順次移転)。報道関係者お披露目となった27日、黒崎社長は、グループの研究開発部門集結によるシナジー効果への期待を語りました。例えばアミノ酸技術の活用は、うま味やコク味といった美味しさの研究にとどまらず、より積極的に栄養や健康にかかわる機能を冷凍食品に付加できそうです。食を通じて人々がより健康になれる、ということは社会貢献にもつながる事業になるのです。そんなチャレンジ精神がみなぎる開所披露でした。
味の素・坂本次郎常務執行役員食品事業本部食品研究所長は、「R&Dメンバーが互いに高め合い、お客様への新しい価値を創造すること」が集約の狙いと語りました。食品研究所は同地で64年の歴史がありますが、「新しい時代に、バリュークリエーションセンターとして発展していく」(坂本常務)のです。
「北棟」3階のコミュニケーションスペース(味の素との共用スペースのひとつ)です。ベランダに出ると京急線路を挟んで向こう側も食品研究所社屋ですが、そこに通路を架けてつながる予定。なんともスケールが大きい話でした。