世界に羽ばたく冷凍サッポロラーメン、西山ラーメンが欧州事業本格化
「RAMEN」は今や世界で大人気の「日本食」。中でも「サッポロラーメン」は、万国人の舌に、心に、響く味のようです。
北海道の話題。サッポロラーメンといえば「西山ラーメン」、ラーメンファンから絶大な支持を得ているのが西山製麺です。
【写真】札幌の「ラーメン横丁」には、さっぽろラーメン年表が掲げられています。戦後の復興期に、初代社長西山孝之氏が屋台の店の製麺担当から独立して、製麺所で創業(1953年)したのが西山製麺の始まりです。
西山製麺は、日本国内のみならず、既に世界20カ国へラーメンを輸出しています。
もちろん、冷凍めんですね。札幌で生産されたラーメン、スープなど食材は、40フィートの冷凍コンテナで石狩港から、釜山、スエズ運河を経て、ロッテルダムへ着き、ドイツ・デュッセルドルフの西山製麺現地法人(2013年~)へ。米国向けは、釜山、寧波、スエズ運河を経て、米国東海岸のボルチモアへ着き、同じく同社現地法人(2014年~)を経て客先へ。
西山製麺では今年、4月にニューヨークでラーメン店の開業支援を行う会社を立ち上げ、さらにこの9月からは、デュッセルドルフに社員2名が常駐し、欧州事業の強化に乗り出しました。
「ひと昔前は、箸を使えることがCOOLだったんですが、今や箸を使って、ラーメンをすすることができる人がCOOL。広く食文化に通じた人、として尊敬の対象になります」と西山製麺の西山隆司(にしやま・たかし)社長。
え~?!、ズズーッと音を立てたら嫌な顔されるのでは?というのは古い考えらしく、海外のラーメン店では、「かっこいい人」になるらしいです。どうやら、忍者漫画「NARUTO-ナルト-」で、ラーメンを食べるシーンを見た若者が流行の発信者らしいです。
同社の海外売上は、2015年1億8,300万円実績で、2016年は2億3,000万円ほど。2019年には5億円を見込むそうですが、「売上を上げるという目的ではなく、本場のおいしいラーメンを提供したい、という現地パートナーと出会いそれに応えること」(西山社長)が、海外事業展開のモチベーションだそうです。
デュッセルドルフの現地法人では、いずれ調理研修のできる設備を備えたオフィスを予定している、ということでした。「本物」をしっかりと伝え、その先の現地化やアレンジは、お客様任せ、ということになるのですね。
本場の味は、冷凍技術が時間と空間を超えて世界に伝えていきます。熱い冷凍めん談義でした。冷凍めん協会副会長の牧実シマダヤ会長㊥は、札幌に出向くと西山社長㊨と懇談するということで、おじゃまをして今月のトピックスをうかがうことができました。
独自の冷凍技術はヒミツ、だそうです。