勝美ジャパン、インドネシア・北スマトラ島の新工場が稼働「業界初の”インドネシア産無加熱摂取冷凍蒸葉物野菜”」(山崎社長)
メディカル給食向け冷凍野菜・冷凍食品で実績のある、㈱勝美ジャパン(東京都中央区日本橋蛎殻町)は、かねてより計画していたインドネシアの新生産拠点が完成・本格稼働を開始しました。写真は、現地取材を控えた記者団に新工場の概要を説明する山崎裕康社長です。
バックのスライドは、インドネシアの北スマトラ島の高原地帯、シボロンボロン(Siborongborong)に完成した新工場です。同社と長年取引のある、PT. TOBA AGRO ABADI(本社:メダン、Ricard Ryanto社長)の新工場、Lobusiregar(ロブシレガー)工場で、全て勝美ジャパン向け製品を製造する専用工場です。勝美ジャパンは、新工場製造ラインの投資を行い、駐在員派遣で現場指導、管理を行います。

勝美ジャパンは、日本の超高齢化に先駈けて20余年前から、食べやすく、おいしく、栄養価の高い『冷凍蒸野菜』の開発・供給で成長してきました。昨年は、株式上場(TOKYO PRO Market)を果たしています。病院、介護施設、高齢者施設の給食(メディカル給食)需要をしっかりと掴んだ成功の理由は、「おいしいから」です。
通常、冷凍野菜は下処理として茹でる(ボイルブランチング)工程がありますが、同社では蒸す(スチームブランチング)ことによって、野菜の持つ食感、栄養素などを極力そのままにして急速凍結、製品化しています。
栄養士が1日の食事全てを管理して、利用者の方々の体調を維持しするメディカル給食では、”残さずおいしく食べてもらう”ことが重要なポイントです。その栄養士さんや調理現場が納得する品質、ということですね。
また同社では、刻み食への対応(メディカルカット)など、マーケットニーズに応じたきめ細かい商品供給も行っていて、高い評価を得ています。


勝美ジャパンの製品は、数年前から家庭用にも販売されていますので、そのおいしさを知り、ファンになっている方も多いかもしれませんね。レンジ調理OKで、「蒸大根」は、素早く味が染み込むので、おでんや煮物に大人気です。
『スチベジ製法』のシリーズ名で販売している製品です。
今回、インドネシアの新工場で製造し、日本で発売する主力商品群は、冷凍蒸野菜の中でも、手間暇をかけた、『無加熱摂取』できる『冷凍葉物野菜』で、これは業界初の商品となります。人手不足の昨今、調理現場の作業軽減にも役立つ商品です。


今年、インドネシアで取り組む新しい商品としては、さつまいものレモン煮、蒸かぼちゃなどを予定しています。
さて、北スマトラと聞いてもピンとこない方も多いかと思いますので、地図をご覧ください。
首都ジャカルタは遙か南。ジャカルタから国内線飛行機で2時間ほどかかるシランギット空港が最寄り空港です。ほぼ赤道直下ですが、圃場(農地)と工場のあるシボロンボロンは、標高1400~1500mで、平均気温は約20℃(平均最低気温約15℃ー最高気温23~25℃)で、これが年間を通じほぼ一定。乾期(3-10月)、雨期(11-2月)はありますが、野菜を栽培するのに最適な環境です。パートナーのPT. TOBAでは、面積250㏊の自社圃場を持ち、自社従業員420名が栽培・出荷を行っています。
「昨年9月から本製造を開始して、12月に1本目のコンテナを出船、3月は3コンテナ、5月は4コンテナを予定しています。2025年は計60コンテナ(インドネシアから2500トン)、2026年100コンテナ(同4000トン)を計画します」と山崎社長。「日本の野菜を海外で生産する新しいビジネスモデルをつくる、その第一歩がインドネシア事業です」とのこと。
安定生産、安定供給によるマーケットへの貢献。冷凍蒸野菜という独自商品でのチャレンジ。わくわくしてインドネシアに向かいました。次回そのルポをご紹介します。






