「変革と挑戦、そしてスピード」日本アクセス2024年度方針 3月期はフローズン8.8%増5114億円:市販冷食6.7%増、アイス13.8%増
2023年度(2024年3月期)決算記者会見を行った日本アクセスの服部真也社長です。同年度連結決算業績は、売上高2兆3366億円(前年比6.3%増)、売上総利益1525億円(同11.4%増)、経常利益319億円(同22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益213億円(同22.6%増)と増収増益に。
カテゴリー別の昨年度実績でフローズン(冷凍食品・アイスクリーム)は、5114億円(前年比8.8%増、商品売上高構成比24.0%)。内訳では市販用冷凍食品1578億円(同6.7%増)、アイスクリーム1540億円(同13.8%増)でした。
2024年度の業績予想(連結定量計画)は、売上高2兆4200億円(前年比3.6%増)、経常利益316億円(同0.9%減)、同純利益211億円(同1.3%減)。物流費、電力料金、人件費等の増加を見込んで減益見込みとしています。
2024年度経営方針は「変革と挑戦、そしてスピード」。重点テーマとして掲げたのは、フルライン化に向けて菓子、酒類、ノンフード事業を強化すること。マーケットインの発想のもと、オリジナル商品の開発強化をすること。冷凍食品ではDelcyブランド商品の開発が進んでいます。オリジナル商品により、新たな市場を創造していくことが狙いです。
その他今年度は、卸事業・ロジスティクス事業の領域拡大(3PL拡大など)。外部環境の変化に応じて、生鮮、デリカ、外食事業などをスピード感をもって強化し、中核事業としていくこと。また、新規事業領域では、かねてより掲げている情報卸(リテールメディア)としての小売業サポート、EC事業など新たな価値創造へ取り組みます。また、新たに給食事業をターゲットとした新部門での取り組みも始めます。
日本アクセスの取り組みでは、冷凍食品食べ放題で話題を盛り上げた「チン!するレストラン」をはじめ、低温流通の酒類をPRする「チル酒」、「乾麺グランプリ」と消費者を引きつける新たな発想の販促が強みです。
今年名古屋で開催した3年目の「チン!するレストラン」も大きな話題を呼び、キャンセル待ち人数を大きく更新したようです。フローズンカテゴリーの認知拡大・需要喚起、イメージアップへ大いに貢献する取り組みです。
「チン!するレストラン in NAGOYA」公式サイト
チルド流通「チル酒」のページ
「乾麺グランプリ2024」サイト
新需要創造の取り組みとしては、海外市場に高品質で評価される日本の食品を海外市場へ紹介、販路を拡大するビジネスも期待要素。伊藤忠商事のグループネットワークを活用して海外小売業との取り組み強化を図っています。日本の「食」を届ける日本アクセスの海外事業
物流2024年問題に関して、フローズン部門では今年、「フローズンマザーセンター」の全国展開が進みます。手積み・手降ろしを無くし作業生産性を高めるパレチゼーション導入が取り組みの鍵。すでに稼働している関東マザー(2021年度~)、中四国マザー(同)、近畿マザー(2022年度~)に加えて2024年度は、東北マザー、中部マザー、九州マザーが稼働する予定です。