『生鮮』は5品!! スーパーが真剣に冷凍食品を考える時代に(SMTS)
2月恒例、幕張メッセ全館を使用して開催される「スーパーマーケット・トレードショー2023」(一般社団法人全国スーパーマーケット協会主催)、15日~17日の登録来場者数は62、525名(昨年は42,885名)でした。ウィズコロナの中で、ようやく展示・商談会の賑わいが戻ってきたようです。
【登録入場者数】
2月15日(水) くもり後晴れ 22,874名
2月16日(木) 晴れ 21,430名
2月17日(金) 晴れ 18,221名
賑わいが戻ったSMTSで大きく変わったのは、主催者企画展示「食のトレンドゾーン」で、初めて冷凍食品にスポットが当たったことだと思います。
「冷凍×食」のライブステージで、冷凍食品ジャーナリスト山本純子が訴えましたが、人気のスーパーマーケットは、野菜、魚、肉の生産三品が新鮮で美味しい、お惣菜もバラエティが楽しく美味しい、そして、鮮度を止めていつでも旬、作りたてを提供する『生鮮5品目』の冷凍食品の品揃えも楽しくてどれも美味しい。そんなスーパーマーケットが、これからの人気店です。
主催者の企画「冷凍×食」ソーンに加えて、50社・ブランドを超える冷凍食品関連の展示ブースが並びました。
中でも一番目立っていたのは、VIP食堂を併設しての出展4年目、黄色い看板とのれんで『街中華』の大阪王将を印象づけたイートアンドフーズでした。
今回は一段とハデですね仲田社長。「勝負に出てます!」とのこと。
のれんを分けて覗くと、街中華のカウンターに来たような雰囲気。「へい、お待ち!」と提供した試食には、常に大行列ができていました。
VIP食堂では、3月発売の新商品、「極みの大粒 肉餃子」と「極みのもっちり厚皮 肉汁爆弾餃子」をいち早く提供しました。4トンの海水からわずか40gしか取れない五島列島“矢堅目の塩”を餃子の餡に使うなど、こだわりが光る新商品です。
外食店「大阪王将」のスタッフが調理しますが、看板商品天津飯の中身は家庭用冷凍食品の炒飯で提供しました。
ビッグブランドで唯一、毎年出典しているマルハニチロ。近年はサステナブルな漁業にフォーカスしたブースが感心を集めてきましたが、今年は魚の多様な価値を発信するアクション「サカナクロス」を前面に打ち出しました。大画面は迫力ありました。さすが水産業界のリーディングカンパニー。魚や食品を売るだけじゃない、魚の可能性を広げ、未来の暮らし、社会を考えるというコンセプトです。
マルハニチロ サカナクロス 特設ページ
もちろん、家庭用冷凍食品も最新商品をPR。
「誕生魚診断」もぜひ。2.0は相性占いもできます。
美味しい低糖質「Remake BODY」シリーズと、新商品、賢い日々の優しい食を提案する「Wise days」シリーズが注目された、SL Creationsのブースです。
「からだにいいものを食べたい」という女性のニーズに応える春雨入り具だくさんスープ各種。スタイリッシュな紙パッケージにモノクロームの写真。オシャレです。「実は身内が登場しています」と種明かしをする佐藤社長。
全国ご当地の商品も多彩でした。中でも青森県は、官民連携の産業育成「冷凍ベンチャー事業」をアピール。このプロジェクトには「冷凍王子」西川剛史さんも協力しています。写真は、開発したチーズが賞を獲得した㈱LOCO・SIKI(ロコシキ)の芝﨑社長。
そのモッツァレラで「ピッツァマルゲリータ」も商品化しました。
グルテンフリーの「麹チーズケーキ」を提案した、新潟県上越市安塚のブランド「里山ボタニカル」。優しい味わいでした。
中山間地の自然を守り、その価値を商品化して届ける手段として「冷凍」が役立っています。「デザイン会社なんですが」と同ブランド商品を製造・販売する㈱U-STYLE松浦和美社長。
札幌の㈱わらく堂は、和風チーズデザート「おもっちーず」、新商品の「札幌シロクマパフェ大福」など。和菓子系・お餅系商品は、冷凍流通ならではのつきたて感が広く認知され、これから人気が出てくると確信します。
ロイヤルの「ロイヤルデリ」をはじめ、九州勢も目立ちました。
窯焼きピザの「ピザレボ」(㈱PIZZAREVO)は、今旬の新商品、生パスタを紹介。
その名も『極上生パスタ』。「福岡県産小麦100%のプレミアムパスタ」(藤井邦彦取締役兼ピッツァイオーロ)。小麦産地福岡のアピール、麺の美味しさを訴えます。
“魚屋がパスタ”とPRしたのは、柳川冷凍食品㈱(福岡県柳川市)。水産加工品の技術、ノウハウを生かして、「海鮮パスタシリーズ」を展開しています。
太宰府天満宮参道の名物「梅ヶ枝餅」(㈱やす武)が「冷凍梅ヶ枝餅」。
島の魚と中華料理研究家による「匠の百皿」も注目を集めていました。鹿児島の離島、獅子島からの冷凍食品「百皿ーHYAKUSARA」(㈱島のごちそう)。
離島の魚を生かした美味しい食品が届く(製造は大川市の協力工場)。島の漁業が活気づく。やはり冷凍は、『時間を止めて空間を超越できるシステム』なんですねぇ。