冷凍食品業界ニュース

ニッスイ浜田晋吾次期社長が会見 「グループを『新たな成長軌道』に」~事業開発部を新設、食品事業はデザイン思考・人間起点の商品開発を

日本水産(ニッスイ)次期社長に内定した浜田晋吾代表取締役専務執行役員は、4月13日、社長就任内定(6月25日定時株主総会、取締役会を経て正式就任)にあたっての記者会見(オンライン)を開催しました。「グループを『新たな成長軌道』に乗せたい。そのためにはフロンティアスピリットを鍛え、モノ作りの技を磨き上げる」と抱負を語り、社会に求められるグループを目指して、様々なチャレンジ、キーとなるアクションを宣言しました。。

全世界を襲っているコロナ禍にあり、グローバルに展開するニッスイグループも2020年度は成長路線が踊り場局面に。既に的埜社長が発表済みですが、同社では、本年度スタートする予定だった次期中期経営計画を1年保留にして、2021年度は体質強化を図る年と位置付けています。浜田次期社長は、飛躍に向けたこの時期だからこそのチャレンジとして、発想の転換、新たな事業展開、新たな働き方を強調しました。

新たな成長軌道に乗るための「キーアクション」をいくつか挙げた中で、注目の取り組みは、社長直轄の「事業開発部」を新設し、従来の発想を超えた新事業の「種」をスピーディに生み出していく、としたことです。また、商品開発では、論理的思考だけではなく、五感・直感を駆使して潜在的なニーズにアプローチする「デザイン思考」手法を定着させるとしました。「デザイン思考」は、昨年からニッスイ製品に具体化しています。製品を使うことで気持ちが満たされるもの、「人間起点」の商品開発をした商品です。

例えば、産後の母親の栄養補給を考えた「Suu Kamu Soup(スゥカムスープ)」

 

ストローで1食分の野菜が食べられるカップ入りスープです。なぜ、ニッスイが産後ママの栄養補給を考え商品開発をしたのか?それは、ニッスイの原点が、魚を全国に、「水道の蛇口をひねると出てくる」がごとく供給することで、日本人がたんぱく質を抱負に摂取でき、健康になること、を目指したからなのです。新米ママは、赤ちゃんファーストで自分のことは二の次になりがち。手軽に手間なく、しっかり栄養を取ってもらいたい、という従来に無い開発商品です。改めて感じ入りますが、食品産業は、社会のため人のためを考え、実現していく仕事なのですね。

また、今年春に発売した家庭用冷凍食品新シリーズ、幼児食「ニコパク」。

幼児がニコニコ、パクパク食べる。お母さんには嬉しいことですね。離乳食が終わり、自分で食べ始める幼児のために、食事を楽しめる「星のたまごがでてくるオムライス」

星のかまぼこが隠れている「宝をさがそう!カレードリア」。食事に集中して、食べることの楽しさ大切さを感じる第一歩に役立つ商品開発です。

会見で、浜田次期社長が掲げた各事業別方針の中で、食品事業は、「顧客価値の創造」と「社会課題の解決」のために、「変化」にしなやかに対応しよう!です。

食のスタイルの変化への対応するというテーマでは、レンジで簡単に、美味しい食事ができる冷凍食品の開発は、まさに時代のニーズをとらえたもの。スケソウダラの『速筋タンパク』摂取(おさかなソーセージ、かにかま、ちくわ、白身魚フライなど)で筋肉量アップを訴えるなど、健康訴求商品群も強化することもテーマのひとつ。そして、省プラスチック、食品ロス削減といった社会課題の解決、社会貢献もテーマに掲げました。

「必ず来る夜明け」。浜田次期社長は「いつもの、私が大好きな写真です」と、プレゼンテーションの最後に示す写真、地平線に朝日が昇り始める画像を映しました。

コロナ渦中の会見、「あしたを見定め、飛躍を目指す」という言葉に力がこもりました。

 

 

 

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