熊本・東京で「日台フードビジネス連携セミナー・商談会」 冷食NO.1の桂冠・王董事長が講演
台湾優良食品発展協会(TQFA、周能傳理事長)、一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM、小谷雅紀理事長)主催による、「2024年日台フードビジネス連携セミナー・商談会(TAITRA:台湾貿易センター東京事務所協力)が、9月5日熊本、同5日東京で開催されました。同会は第3回目。
台湾TSMCの半導体工場進出で話題の熊本。同イベント熊本会場は「大いに盛り上がりました」(TQFA周理事長)とのこと。工場ができ、人も来れば食品の世界も大きな変化が起きますね。
台湾からのミッション団は今回15社で、台湾の冷凍食品トップメーカー、桂冠實業をはじめ、畜肉製品の対日輸出許可を得ている台湾畜産工業(台畜、ソーセージ、ミートボール、排骨など)、奇美食品(グワパオ、高菜まん、ごぼうまんなど)など、冷凍食品業界として注目したい企業も来日しました。
主催の2団体は、「TQF認証プログラム」、「JFSM規格」とそれぞれ食品安全マネジメントの第三者認証制度を持ち、2022年からパートナーシップ協定を結んでいます。つまり、相互承認をすることで、日台間の食品需給の信頼性を高めて、食品流通販売企業、ひいては消費者の利益に資するという取り組みです。【写真㊤(左から)第一名店・山村美佳国際部長、台湾好農科技・陳建斌執行役員、台北駐日経済文化代表処経済組・林春壽組長、TQFA・周理事長、JFSM小谷理事長、TAITRA・鄧之誠所長、TQFA・陳英顯駐日代表、桂冠實業・王亞倫董事長)】
「国際市場への進出に意欲を持つ企業が来日しました。交流、商談を実り多いものにして新しいビジネスチャンスに」(TQFA周理事長)
「日本台湾の食品事業者を支援をするといる視点で事業連携をしています。今年6月も新たな事業連携契約を締結しました。イベントは開催ごとに規模が拡大しています。今回も大いに関心を呼ぶものと期待しています」(JFSM小谷理事長)
「台湾の食品産業はグローバル市場で大きな潜在力を持っています。地理的に近い日本と台湾の協力で新たな局面を生み出すことに期待します」(林処長)
日台食品ビジネスアライアンス推進プロジェクトについて説明したTQFAの陳英顯駐日代表。ミッション団の派遣、FOODEX出展、また個別企業のマッチング支援など、「紹介するだけではなく成果まで導く支援をしています」と語りました。
企業代表によるセミナーは3氏が講演。日本食品を輸入して直接台湾流通業へ販売すると共に「キングポーク」ブランド加工品を輸出する第一名店・山村国際部長は、「台湾では、どのような日本食品がこのまれるのか」をテーマに講演。越境EC事業で日本でも実績のある台湾好農の陳執行役員は、越境ECの実績を紹介しながら、台湾産マンゴーなどがリーズナブル価格で提供できていること、日本製品は台湾では贈答品として人気があることなど紹介しました。
「台湾冷凍食品加工業界の動向と日台連携について」をテーマに講演した桂冠實業・王董事長です。通訳は陳建斌氏。王董事長は、世界の冷凍食品産業は成長を続け、台湾もコロナ禍以降急伸していると説明。
トピックは、台湾南部・屏東農業テクノロジーパークに完成した同社第3工場で、保税区のメリットを生かした海外企業との取り組みが可能なこと。また、台湾全域に低温流通網を確立した物流企業をグループ傘下に持つ桂冠實業は、日本企業と連携した生産、販売に対応できる、といった強みをPRしました。
桂冠實業の人気No.1商品「桂冠湯圓(だんご)」はじめ、鍋具材、個食麺、健康食品などを紹介した王董事長。「具体的な問い合わせも頂き成果の出た商談会になりました」とのこと。
陳建斌氏㊨と台湾貿易事業で実績のあるインフード・ジャパンの柳本尚之社長㊧。
陳氏は、10年をかけたプロジェクトにより今年から出荷がスタートする台湾産バニラビーンズのPRも行いました。
また、ミッション団参加企業の紹介セクション(写真はプラントベースフードの松珍生物科技)では、副団長として各社の特長を通訳紹介しました。
台湾のTQFAは、1989年の創立で、創立当時は「台湾食品GMP発展協会」。後に食品全体の認証制度として現在の「TQF」に続く歩みを初めて今年は30周年。
陳氏は台湾政府農林水産行政の担当官として、日本の冷凍食品業界人との交流も深く、台湾冷凍食品発展協会設立に貢献した人物です。後に台湾政府の食糧局長、台湾食品科学技術学会理事長と要職を歴任し、現在も財団法人台湾バナナ研究所董事長を務めています。
ミッション団の皆さまのOKポーズは、TQFマークのデザインにちなんだものでした。