台湾産冷凍枝豆・おいしさのヒミツ②　高雄區農業改良場の「枝豆博士」が高機能性で研究成果

台湾産冷凍枝豆のリポート。今回は、「おいしいだけじゃなくて身体に良い」という話です。
台湾政府農業部（2023年8月農業委員会から農業部へ改組、昇格）所管の高雄區農業改良所（屏東縣）を視察、レクチャーを受けました。
冒頭の写真は、高雄區農業改良所の戴順發場長・博士㊧と訪台メンバー日本代表、輸入冷凍野菜品質安全協議会の中井清典会長㊨（ニッスイ品質保証部長）です。二人が手にしているのは、開発されたばかりの枝豆100％原料の高機能性食品（フリーズドライ食品）です。

戴場長が「枝豆王子」と紹介した、周國隆研究員・博士から、生活習慣病予防効果など枝豆の機能性について説明がありました。下の図は、研究所発行の農業技術レポート誌2023年10月号掲載のもの。

毛豆＝枝豆です。未成熟で収穫する枝豆のさやには細かい毛がついているので毛豆。「たんぱく質、食物繊維が豊富でビタミン類も摂取できます。2017年～2019年に台北医学大学でマウスによる実験を行って生活習慣病予防効果の実証実験を行いました」（周博士）

4kgの生枝豆からフリーズドライ製法によって1kgのパウダーにしたものを実験飼料に使用したそうです。その成果に確信を得て製品化されたのが「純毛豆植物飲」。枝豆100％ドリンク用パウダー、ですね。1袋は25ｇで、生枝豆100ｇ分に相当します。

帰国後さっそく試してみました。

枝豆100％の香りがするパウダーに牛乳200㎖、砂糖少々（検索したレシピではガムシロップでしたが、手元になかったので）をミキサーにかけると、

出来上がりました。まさに、仙台駅で、東北自動車道のサービスエリアで記憶した「ずんだシェイク」の味わい。これはおいしい。たんぱく質は1袋10.3ｇですので牛乳1本（200㎜ℓ）を遙かに上回る量です。今回牛乳でシェイクにしましたので、たんぱく質は合わせて17ｇの摂取量！となります。食物繊維4.2ｇも嬉しいです。その他、レシチン、イソフラボン、葉酸など。

さて、枝豆博士による同農業改良所での品種改良の話に戻すと、「周博士の努力によって、枝豆13号の開発（新品種）ができました。新品種の開発は、何千種から100種に絞り改良、さらにそこから10種を実際の圃場で実験、8年から10年を要しまが、さらに良い品種改良が進んでいくことでしょう」と戴場長は語りました。

研究所の近隣にある枝豆実験圃場です。

「暖かい気候、温かい人情で歓迎します」と戴場長。『創新・科技・永続』と掲げた方針に基づき、環境保全と農業発展の両立、優れた品種開発、新技術開発を進めていく決意を語りました。

研究所内には研修のための宿泊施設もあり、親しみやすいキャラクターも。