冷凍食品道場 入門編【その10】 冷凍食品の栄養について良くわかった、ある日の出来事
さくっと昼ご飯に便利なカップめん。冷凍食品のサイトでなぜカップめん???? よく見ていただきたい。緑の、、、に緑の野菜。冷凍野菜のほうれん草を入れてみました。ここに熱湯を注いで3分。
歯ごたえシャキッと、良い感じです。冷凍野菜は、自然解凍OKとの表示があるもの以外は、「加熱してありません」と書かれています。なので加熱してから食べるのですが、「加熱」といっても上記のように熱湯をかけたり、スープが仕上がる最後にポンと入れ火を止める程度で良いのです。
冷凍ほうれんそうはクタクタとおっしゃる方には、「生鮮の加熱が10なら冷凍野菜は2でOK」とご説明します。すると、しばらくして「びっくりしました!シャキッとしてますね」とメールが来たりします。
そうなんですね。冷凍野菜を加熱しすぎてしまうともったいない。短時間加熱でシャキッと、栄養もしっかり摂りましょう。
先日、お目にかかった管理栄養士の先生から、「冷凍野菜の栄養価について良く聞かれるんです。何か良い資料はないですか?」と聞かれました。ならば、と下記の資料をお知らせしました。
35年前の資料で恐縮なのですが、この資料ができたきっかけが興味深いので、日本冷凍食品協会では今もこの資料を使って、冷凍食品の栄養保持について解説しています。
その興味深いきっかけとは、当時、女子栄養大学の授業で、ほうれん草のビタミンC量を測定する、という実験を行いました。学生「吉田先生、生のほうれん草より冷凍ほうれん草の方がビタミンCの量が多いです」、吉田先生「そんなことないでしょ。もう一度ちゃんと実験してください」、学生「何度やっても同じです~」、、、、といったやりとりがあったと伝え聞きます。
そこで吉田先生、日本冷凍食品協会に連絡します。時は初夏。
今でこそ改訂を経て栄養成分表には、季節による野菜の栄養素の変動が記載されていますが、当時はびっくりの大発見だったのです。
つまり、栄養成分の値が高いほうれん草の「旬」の時期に生産する冷凍ほうれん草の栄養価は、夏場の生鮮ほうれん草の栄養価より高いのです。
「冷凍食品4つの条件」の稿で、急速凍結は食品の組織をできるだけ壊さずに凍結する技術、組織が壊れていないということは味も栄養価もそのまま、といって説明をしました。まさにその通り、冷凍野菜は1年中「旬」なのです。
メリットいっぱい 冷凍食品4つの条件
「冷凍食品では栄養が摂れない」と考えていませんでしたか? それは誤解。しっかりと摂れます。また、冷凍食品のパッケージには栄養成分が明記してあります。ぜひ、日々の食生活の参考にしてください。