日本アクセス秋季フードコンベンション(7/16~) 注目!よしもとコラボ第2弾~小川みさと部長インタビュー
日本アクセス主催の展示商談会、毎年7月恒例の「秋季フードコンベンション」は、いち早い秋冬トレンドをキャッチすると共に、秋に同社が実施する冷凍食品業界最大の消費者キャンペーン「フローズンアワード」の前哨戦として、業界の注目を集める一大イベントです。
「日本アクセス 東日本秋季フードコンベンション2025」は、7月16日・17日にパシフィコ横浜で、「同 西日本秋季フードコンベンション2025」は、7月24日・25日、インテックス大阪で開催の運びとなっています。
開催直前、今回のポイントを日本アクセスのフローズン食品MS部、小川みさと部長にうかがいました。
小川部長は今年4月に部長代行からの昇格。大手食品中間流通業界で、数少ない女性部長の一人として業界が大注目する新任部長です。
イベントの際には、いつも立ち話で取材対応をいただいていましたが、改まってのインタビューは初。当方、少々緊張気味でスタートしたのですが、いつもの元気、意欲は変わらず、自然体でした。
「私の前任(現松元雄一次世代ビジネス営業部長)、前々任(現淵之上明生執行役員商品統括・マーケティング管掌)はじめ歴代部長はフローズンで実績を積んできた人ばかり。チルド商品担当の方が長かった私が部長に就任してまわりは不安だろう、、、」と始まったインタビューでしたが、慣例を打ち破る、多くの人のあこがれとなるロールモデルなのだと理解しました。
2002年の新卒入社。二度の産休・育休経験。そして、子育て真っ盛りで働く部長であるからこそ、見ている世界が鮮明なのだなと感じるインタビューでした。
◆働き方を考えるロールモデルに
-(そのあまりに強い存在感から)フローズン畑育ちと思い込んでいましたが、違うのですね。
小川みさとフローズン食品MS部長 チルドの営業から始まり、チルド担当が長く、メーカーへの出向経験もしました。2014年に産休・育休から復職し商品開発部で開発に携わり、二度目の産休・育休に入ったあと、2018年にはチルド食品MD部で復帰。2019年からフローズン食品MD部(今年4月~フローズン食品MS部に名称変更)です。
21年冷凍食品課長代行、22年アイスクリーム課長、24年部長代行、そして今年度から部長を拝命いたしました。二人の子供がいるので、今も時短勤務(1時間)を続けています。課長昇格の時に『夕方相談したかったのに時短勤務で上司はいない状況では、部下が困るのでは』と淵之上部長(当時)に言いましたが、『仕事は何もかも1人でやるということじゃない。フォローするから大丈夫』と言われました。にこにこしながら愛情を持って崖から落とす(笑)、という感じでしたね。
-(笑)必ず崖を這い上がる人材、ということなのですね。社内の期待、信頼を感じます。
小川部長 女性活躍が言われますが、産休・育休をはさんだ時には当然職歴は短くなるわけで、ではどうやって活躍するのか、と悩む人が多いと思いますが、『職歴だけではない』ということを示していくロールモデルとして、責任を感じています。課長就任以降は、自分の仕事をやればおしまい、ではなく、部下の仕事も全体もうまく回るようにと心がけています。細かなことですが、“短い時間で分かりやすく説明する”ように努めています。
-重要なことです。
小川部長 後輩にとって私は、すぐ見えてくる未来です。何かを変えていかなくてはと考えています。それがひとつの例になればいいと思いますし、私のようには働きたくないなと考えてもらってもいい。良い意味でも悪い意味でもどうやって仕事に向き合っていくか、いろんな人がイメージを膨らませられるようなロールモデルになれればいいと思っています。
-発想が柔軟ですね。働く女性にとって頼もしい先輩です。
小川部長 現状、女性が子育てをしながら働く場合、家族の協力や環境などがそれぞれ異なっていて、ひとくくりに考えることはできません。例えば、明日は1時間早くと命じられても、頼るところもなく有料サービスを頼んで対応したという事例もかつて聞きました。「同じように育児環境下にある女性でも事情はそれぞれであり、働き方の制限をせざるを得ない」という認識を普及することも、私の役割の一つかもしれません。若い世代では、夫婦同等に家事を受け持つようになってきたなど、若い世代から徐々に変わってきているとは感じています。
-フローズン担当として7年目、難しさや魅力など感じていることを教えてください。
◆冷凍食品の魅力をもっと多くの方々に伝え、市場を広げる
小川部長 フローズンは売場全体を預からせていただいていますので、店舗の売上、各メーカーの売上、当社の売上、全体が良くなることを目指さなくてはなりません。バイヤーと一心一体になって、売上を下げずに売りたいものを売っていく全体のコーディネート。これが難しいです。冷凍食品はもちろん魅力的な食品です。『時空を超える』食品であるから、コスパの良さ、タイパの良さが生活者に刺さっています。どんな人にもどんな場面でも使い勝手が良い食品ですね。個食化の流れといった時代の変化にも合って、売上も伸びています。
でも、その良さにまだ気づいていない方々がたくさんいらっしゃる。気づいていただき、市場を広げていきたい。それが私たちの使命だと思っています。
-さすが、「フローズンアワード」を継続してきた企業。冷凍商品・アイスクリーム食べ放題の「チン!するレストラン」でも、スーパーとのコラボ開催という新しい取り組みが始まり、成果を挙げていますね。

小川部長 「チン!するレストラン」も市場を広げたいという一心から始まりました。コロナ禍でマネキン販売もできない時期に、使い勝手の良さ、タイパの良さを体感していただきたい、という思いからスタート(第1回は2022年秋葉原)しています。小売店との連携による開催は、消費者に一番近い売場でできるという理想の形です。
日本アクセス主催としては、今年は札幌で開催します(11月27日~12月15日)。過去最大規模になりますし、新しい見せ方も考えています。楽しみにしていただきたいです。
―フローズン食品MD部からフローズン食品MS部に変わりました。狙いを教えてください。
◆メーカーにソリューションを提供する
小川部長 MSは、「マーチャンダイジング・マーケティング&ソリューション」を意味しています。従来は家庭用のみでしたが、各MS部が業務用商品も担当することになりました。単に商品政策だけではなく、メーカーのお困りごとの解決策を担うソリューションを行います。例えばEコマースが進んでいない企業があれば、当社のEC専門部隊と連携して解決提案ができる。一部工場ラインの稼働に課題があれば、家庭用・業務用に垣根なく、こんな商品を作れないかという提案も可能になります。当社の持つ機能を使って、生産・販売双方のソリューション提供に取り組んでいきます。
―前回のフードコンベンション以降、家庭用冷凍食品の販売状況を聞かせてください。
小川部長 売上高は前年比104%です。直近は5月以降、買い上げ点数の伸び悩みが懸念されます。他のカテゴリーにスイッチしてしまわないよう、強めの販促対策を打たなければいけないと考えています。
―春季フードコンベンションでは、Delcyブランドの1人前「温野菜」、吉本興業コラボの「吉たこ」に注目しました。秋季はどのような提案がありますか?

小川部長 「Delcy チン!する温野菜」は、ヒット商品になりました。従来になかった『1人前の温野菜』という新ジャンルとして期待しています。秋は季節を感じさせる「Delcy チン!するお芋の温野菜」を発売します。

吉本興業とのコラボでは、「吉たこ」の第二弾として、芸人「さや香」のコンビが考案したメニューを再現した「白だしとろろ」を発売します。
さらに、当社が協賛している全国の高校生がオリジナルレシピで競い合う「ご当地!絶品-うまいもん甲子園」で、昨年は当社から準優勝3校へ「夢をカタチにする権利(商品を開発できる権利)」を授与しました。その3品を発売します。


茨城県立鹿島高等学校、和歌山県立神島高等学校、沖縄県立首里高等学校の3校の生徒が、地域の特色を生かして高校生らしい斬新なアイデアで開発したおにぎりメニュー(おにぎらず風)です。「冷凍」「ワンハンド」といった商品軸で試作を繰り返し、形にしました。
―10月から開始する「フローズンアワード」、昨年は連続ドラマ制作と驚きの企画でした。
◆フローズンアワードもさらにブラッシュアップ
小川部長 今年もブラッシュアップした企画になります。新たに「ペットフード」部門を設けて、フローズンの可能性をさらに広げていきます。Webドラマも第二弾を制作します。
―フローズンの世界観がさらに広がります。楽しみですね。ありがとうございました。

最後、小川部長から「冷食OK」ポーズもいただきました。中一、小三の男の子2人のお母さんですが、インナーカラーーを入れたヘアスタイルで、とても若見え。いつも元気はつらつです。
学生時代は年に何度も1カ月単位の海外放浪をしたという逞しさ。現在の趣味はとたずねると、「旅行、ライブ(音楽)に行くこと、走ったり、泳いだり」だそうですが、よくよく聞いてみると、走るのはなんと、トライアスロンへの参戦。びっくり仰天で、1年を通してのこんがり日焼けに納得、でした。






