「AJINOMOTOギョーザ」のサステナブル調達が進化! 「地域連携の資源循環スキーム」を宮崎県えびの市で発表
味の素冷凍食品は、全国6工場において「地域連携の資源循環スキーム」を構築していく方針を発表しました。

その実践第一弾は、宮崎県の生産者、行政との連携でスタートします。上図の通り、「AJINOMOTOギョーザ」を製造している九州工場(佐賀市)から出る動植物性残渣(キャベツの芯、形が崩れ製品化できないギョーザなど)が、養豚事業者の飼料の一部になり、その豚ぷんが完熟堆肥化され(宮城県えびの市の㈱レクスト)、キャベツ栽培(えびの市の㈱立久井農園)、ニラ栽培(宮城県東諸県郡国富町の㈱サンロード)に使用され、キャベツとニラが九州工場の「AJINOMOTOギョーザ」の原料になる、というサイクルがぐるぐる回って資源循環していきます。
味の素冷凍食品では、環境への配慮に取り組む一環として、工場における食品残渣の『資源化率100%』を過去4年連続で達成(2021年度~)してきました。
そしてさらに、資源化されたものが巡り巡って、再び製品生産につながるという『資源“循環”』に進化させます。
共同記者発表会は5月20日、えびの市で開かれました。
(左から)宮城県西諸県農林振興局農業普及担当・小岩﨑規寿次長、㈱サンロード出荷組合・松元幸貴取締役専務、味の素冷凍食品・伏見和孝取締役常務執行役員コーポレート本部長、㈱立久井農園・立久井友文営業課長、(有)レクスト・長友浩人代表取締役、えびの市・川越政文畜産農政課長

発表会では伏見常務が、味の素グループ・味の素冷凍食品の環境方針を説明。味の素グループ企業として、味の素冷凍食品が取り組む環境配慮アクションは、温室効果ガス削減、フードロス削減、プラスチック削減、サステナブル調達の4つ。今回の取り組みは、「さらに持続可能な原料の調達へと進むもの」としました。
調理冷凍食品の製造において、環境配慮で突き抜けた、唯一無二の存在になることをビジョンとした事業です。

続いて高橋政光原材料部長が、取り組み経緯を説明しました。
味の素冷凍食品では、原材料を調達する一次加工業者や商社の先につながりがある生産者とのコミュニケーションを重視し、社員が産地に出向いて情報交流をして、「おいしさを支える仲間たち」として、自社ホームページでも紹介を続けています。
そんな日頃のコミュニケーションから、信頼関係でつながり、資源を再び元の資源につなげる意義を共有して、「資源循環スキーム」の構築に至りました。「点と点を線でつなぐというサプライヤーのネットワークづくりが必要ですが、難しい点は、生産者の皆さまにとっては新しいチャレンジのリスクがあり、地域でつながらなければ輸送コストがかかり過ぎることです。そして、意欲的に取り組んでいただける生産者の方々を自ら開拓するという時間がかかる取り組みです」と高橋部長。それらを乗り越えて、今回の連携に至りました。

年間約32,000頭の肉豚を出荷しているレクストでは、“飼料も地産地消で”をテーマに地域活性化に取り組んでいます。長友代表取締役は、味の素冷凍食品九州工場の動植物性残渣を3週間かけて発酵させ飼料としていること、豚ぷんは60日間かけてにおいの少ない完熟堆肥にしていることを説明しました。
立久井農園の立久井課長は、キャベツだけでも年間約2,000トン以上出荷しているという同社の規模だからこそ、今回の取り組みは「えびの市でしかできない大きな武器」と語りました。昨年レクストの完熟堆肥を使用したテスト栽培を行ったところ、「倍くらいのものが(収穫)できた」そうです。
サンロード出荷組合の松元専務は、レクストの完熟堆肥が地力増進の土づくりにつながり、ニラの安定栽培に役立っていると説明しました。
味の素冷凍食品では、昨年、同社のニラを調達して「宮崎県産ニラ使用」を訴求する九州エリア限定パッケージで発売して好評を得ています。
小岩﨑次長は、宮崎県「耕畜連携」産地支援の概要を紹介し、味の素冷凍食品の取り組みについて「大変注目しています」としました。
川越課長も「ぜひ実現させたい」と資源循環スキームを耕畜連携で支援するとしました。
資源循環スキームで生産されたキャベツは、5月収穫分から「AJINOMOTOギョーザ」に使用されますが、まずは九州工場で同製品に使用するキャベツの7%を調達することになります。
味の素冷凍食品は、同スキームを他工場でも構築していきますが、次は今年秋から関東工場(群馬県)でスタートする予定です。

発表会出席者による「AJINOMOTOギョーザ」の焼き体験を行い、また、当日朝に立久井農園で主格したキャベツの試食も行いました。


続いて、立久井農園の圃場に行き、1つひとつ丁寧にキャベツ収穫する風景を見学。


立久井課長は、かなり大きく育ったキャベツを刈り取り、「レクストの完熟堆肥は非常に質が高い。すぐ肥料として役立ちます」と説明しました。大きく、虫くいもなくきれいに育ち、それによって収穫のスピードが上がることも、完熟堆肥の効果、とのことでした。







