【特集】キンレイ「亀山工場」 創業50年迎え第3の製造拠点・第1期工事完成で冷凍ラーメン一層強化
㈱キンレイ(本社・京都市伏見区、白潟昌彦社長)の新工場、国内3拠点目となる亀山工場(三重県亀山市「亀山・関テクノヒルズ」内)は、4月から稼働を開始しました(一部既報)。今年は、同社創業50周年の年。同社がかねてより掲げる「専門店をを超える専門店になる」とのビジョン実現へ、製品の一層の品質向上、供給力の確保を図りました。
亀山工場の敷地は、3万5,764㎡。竣工となった生産設備は「第1期、2期計画工場棟」で、今回は第1期工事の完成です。つまり、3~4年後に稼働を見込んでいる第2期計画のスペースを残した工場棟です。写真の右奥には将来構想用地を残しています。
工場棟の建築面積は9,913.08㎡、3階建、延床面積1万5,334.88㎡。
4月から稼働した亀山工場は、まず人気の冷凍ラーメン2品、「お水がいらない ラーメン横綱」「お水がいらない 横浜家系ラーメン」の生産からスタートしています。既存工場の筑波工場、岸和田市の大阪工場では、製品の需要増大に対応してフル生産体制が続いていましたが、それでも供給が追いつかずという状況でした。新工場稼働でやっと一息といったところ。
もはやポピュラーで説明不要かとは思いますが、『お水がいらない』シリーズは、その名の通り、お水がいらないストレートスープ、麺、具材の三層構造で凍結された商品。鍋にそのままポンと入れ(写真の右、コンロの透明鍋の状態)、弱火で加熱スタート。スープがとけてきたら火力を強めて麺がほぐれたら出来上がり、という簡単調理の具付き冷凍めんシリーズです。
キンレイといえば看板商品は「鍋焼うどん」ですが、それに次ぐ人気アイテムが、いまや冷凍ラーメン商品群となっています。ちゃんぽんならば元祖、長崎「四海樓」監修ちゃんぽん、大阪の行列店「カドヤ食堂」監修中華そば、さらに各地のご当地ラーメンの人気店監修といったこだわりの商品開発を続けて人気を博しています。
そして、5月13日から大型新商品「お水がいらない 天下一品」が順次発売となります。こってり系ラーメン代表選手ともいえる「天下一品」は、話題商品になること必至。キンレイでは、亀山工場の稼働をもって、満を持しての発売としました。新商品の生産は、大阪工場ですが、今後、亀山工場での生産も検討していく予定です。
キンレイでは、この数年、需要増に生産・供給が追いつかず、生産アイテムの絞り込みを行ったり、『お水がいらない』シリーズ新商品の発売を極力控えてきましたが、第3の拠点、亀山工場の稼働により、いよいよ期待される新商品攻勢が再開となりそうです。
亀山工場を紹介しましょう。写真は西北に面した工場玄関です。コーポレートカラーを配した玄関から、二重ドアを抜けて入ると、、、
鮮やかなコーポレートカラーの壁面。階段は2階の工場事務所につながっています。
2階フロアに上がると広いスペース正面にキンレイ50年の歩みを紹介するパネル。
大型モニター。
そして、ゲートを抜けて事務所エリアに入ります。
同2階フロアには、工場内部が見える見学窓を設けています。製麺機の最終工程、麺をカットして1階の茹で工程に1食ずつ落としていく生産風景を廊下から見ることができます(写真はお披露目会での来賓の見学風景)。
地元、三重県亀山市白木町に貢献する工場として、小学校などの社会科見学も受け入れる体制ができています。
1階のだし仕込みエリアです。キンレイの真骨頂と言って過言ではないのが、「だし」。素材から丁寧に仕込むところに、同社がビジョンとして掲げる『専門店を超える専門店になる』という意気込みが表われています。
1階の加熱加工室です。2017年稼働の大阪工場から導入している鉄鍋炒め工程です。ここにも「専門店」品質再現のこだわりがあります。
1階の盛り付け室です。ストレートスープの第一弾凍結後に茹で上がっためんをのせ、その上に具材をトッピングして再度凍結ラインに流れていきます。稼働時にはこのラインの左右に従業員が並んで手作業でトッピングしています。この手作業を惜しまないところが高品位のポイントです。
今回の新工場では、供給体制の増強と共に、省人化、省力化を図っていますが、品質の要となる部分には従来通り、手作業を踏襲しています。
記者団の質問に答える田嶋徹常務取締役生産本部長㊧、白潟昌彦社長㊨です。
省人化、省力化、環境配慮に関する説明に力が入りました。昨今の人手不足に対応して、小麦粉の自動開袋機の導入をはじめ、包装、梱包工程を中心に、包装フィルム交換のロスタイムを無くす16時間連続稼働の包装機の導入。ロボットの導入による人手を介さない梱包などを紹介する田嶋常務です。梱包工程では従来比で6名の人員削減を実現できました。
環境対応では、製品倉庫、凍結機には脱フロン・脱炭素型の自然冷媒を採用。超高効率ボイラなど各種の省エネルギー対応機器を導入しています。
また、太陽光発電設備導入を今期に予定しています。
「次の50年に向けて新工場と共に進化を遂げたい。地元の方々に愛される工場になりたい。ぜひご期待ください」とお披露目会で挨拶した白潟社長。
お披露目会には、三重県の一見勝之知事、亀山市の櫻井義之市長、亀山市議会の森美和子市長はじめ地元から多数の来賓が出席して、キンレイ亀山工場の稼働を祝いました。