食品卸トップの日本アクセス 新中計3カ年で売上2兆4千億円へ 500億円投資計画
日本アクセスは、5月23日に発表した2022年3月期(2021年度)決算業績で、売上、収益共に食品卸の№1となりました。スーパー、ドラッグストアが二桁成長の一方で、CVS、外食市場が伸びない環境の中、EC、デリカなど成長市場への取組拡大、事業構造改革、業務改革による収益改善成果を挙げて、過去最高益を達成しています。
同年度の売上高2兆1203億円のうち、商品売上高は、2兆447億円。うち低温商品は1兆2162億円。低温商品の内訳は、チルド7376億円(前年比4.1%増)、フローズン4786億円(同9.2%増)でした。フローズンの中でも市販用冷凍食品は1449億円(同23.8%増)と大きく伸ばしました。
26日に開催した決算記者会見で佐々木社長は、2022年度から3カ年の第8次中期経営計画「構造改革2024」~新たなサービス・価値の創造~を発表。「断トツの食品総合卸企業を目指す」としました。3カ年で売上3000億円増を目指すチャレンジングな目標です。3年間の総投資計画は500億円。そのうち物流投資・ITインフラ投資は360億円。
同中計の「9つの重点施策」は、①商品開発強化への取組み(売上目標200億円)②フルライン卸戦略の実行(菓子・酒類・ノンフード計売上目標800億円)③チルドプラットフォームの構築(売上目標8000億円)④海外事業のビジネスモデル構築⑤Eコマースビジネスの取組拡大(売上目標200億円)⑥フローズンマザーセンター構想への取組強化⑦物流拠点整備計画の実行⑧DX推進⑨SDGsへの貢献・取組強化。
世界でも日本でも最も伸びる市場は冷凍食品とみて、市販用フローズンは特に注力方針ですが、注目したいのはECビジネス事業者に対しラストワンマイルまで含めた物流の確立を中計の中で目指すことです。全国ネットワークが最終目標ですが、今年度は自社EC物流センター(ドライ・チルドは土浦EC物流センター、フローズンは東京西低温物流センター)の倉出機能を活用して、バラ出荷・アソート品の配送体制と専用システムを構築するなど、首都圏を中心に実地検証を行います。
また、物流業界が直面している2024年問題(労働時間制限に伴うドライバー不足)に対しては、冷凍食品における一環パレチゼーションを目指して、パレット標準化(T11型)、レンタルパレットの共有を進めます。今年1月から関東フローズンマザー物流センター(埼玉県加須市)が本稼働しましたが、パレット納品の荷下ろし時間が平均30分程度に短縮する効果(作業生産性3倍)を挙げています。今後、22年度近畿、23年度中部・東北、24年九州とマザーセンターを順次稼働予定です。