「お水がいらない」シリーズ累計1.5億食突破のキンレイ、三重県亀山に第3工場具体化、2024年4月稼働
お鍋にポンと入れて温めるだけという手軽さで大人気、キンレイ「お水がいらない」シリーズは、2010年の発売以来右肩あがり急勾配の販売増で、ついに2021年度は累計販売食数1.5億食を突破します。【写真は新商品の「お水がいらなり 博多豚骨ラーメン」】
2010年発売以来、ずーっと約106%で伸びてきたという表です。発売10周年の2020年4月に累計1億食を突破して、今年度はもう1.5億食突破!なんですね。2021年度の年間出荷食数は3500万食(2020年度3200万食)となります。
「お水がいらない」シリーズは、スープ・具付き冷凍麺市場の売上ナンバーワンブランドになりました(インテージSCI、2020年9月~2021年8月購買金額シェアより)。
販売数が伸びれば当然それに合わせて生産量を伸ばさなくてはいけません。キンレイでは2017年5月に関西の生産拠点であった泉北工場(大阪府高石市、1982年~2017年)を移転して、最新設備の大阪工場(大阪府岸和田市、写真上)を稼働させました。当時の売上実績は95億円でしたが、東の生産拠点、筑波工場(1987年9月~)と合わせて、2工場で売上150億円を目指す!という意欲的な投資でした。そして、2020年度に売上158億円を達成。2021年度は165億円の着地見込みです。
計画以上の業績伸長によって、昨年早くも次の第3工場計画に入り、先日開催したオンライン記者会見で、三重県亀山市に第3工場用地を取得予定と発表しました。
春夏新商品のパッケージ見本を持ったトップ写真。「博多豚骨ラーメン」は和田社長㊥、「麺屋はなび 元祖台湾まぜそば」は白潟副社長㊧、「四海樓監修 元祖皿うどん」は澤田営業部長㊨です。
キンレイの今年度売上高は165億円見込み。うち、不動産収入を除外した商品売上高は163億円(前年度158億円、うち商品売上156億円)。2020年度は新型コロナ感染流行を背景に売上を大きく伸ばし、「その反動も予想しましたが、売上は伸長方向にあり、上半期は予算、前年比ともクリア。通期で104%着地見込み」と白潟副社長は話し、第3工場建設が具体化していることを発表しました。
また、急成長する中で、現生産体制での売上・利益の最大化を課題として、商品政策と新商品提案を進め、「2024年春に新工場は垂直立ち上げを目指す。1ラインの稼働により、新工場最大能力の4分の1からスタートさせる」(白潟副社長)計画です。また、同時に、企業ミッション、ビジョン等浸透に努め、新年度は行動規範の更新も行う予定です。「“キンレイらしさ”で違いをつくり、“好き”を増やす」(同)という真摯な商品作りは、さまざまな原料産地に足を運ぶ原料開発プロジェクト、生産現場で調理のプロから学ぶ技術開発プロジェクトなどに表れています。
ちなみに、今春発売の博多豚骨ラーメンのバリカタに迫る食感にはびっくりしましたが、その成功は、麺の断面分析をマイクロスコープの新規導入によって、スピーディーに評価して、改善を重ねていった結果、と聞いて二度びっくり。そんなこだわりが、驚く美味しさを生み、冷凍食品の進化を進めていくのだと納得したのでした。
大阪工場では、常識にとらわれない「鉄鍋」導入に驚きました。第3工場も何かあるのでは?と今からわくわくします。