冷凍食品News

安定した気候で生産・収穫 “日本の野菜をインドネシアでつくる”という発想~農場ルポ 

㈱勝美ジャパン(本社・東京、山崎裕康社長)がインドネシアの北スマトラで取り組む、“無加熱摂取冷凍蒸葉物野菜”について、今回は、その原料となる野菜畑のリポートです。

1年を通して平均気温は20℃程度という「常春」環境で、すくすく育っている小松菜の畑です。

赤道直下の熱帯でも、標高が100m高くなるごとに、気温は1℃ほど低下します。勝美ジャパンの製造パートナー企業、PT.  TOBA AGRO ABADI(本社・メダン、Ricard Ryanto:リチャード・リャント社長)は、北スマトラの巨大なカルデラ湖、トバ湖(標高約900m)の周囲に広がる、湖よりさらに数百メートル上の高原地帯に着目して、自社農場250ヘクタールを含む約400ヘクタールの農場を運営しています。

つまり、冷凍野菜加工用の野菜を栽培する農場を自社で持ち、自社の従業員が働き、収穫した野菜をすぐ自社工場で加工する、ということ。

「すべての農場の状態を把握している」と説明してくれたリチャード社長。種まきから収穫、そして収穫後20分以内の距離にある工場で、すぐ加工できるという流れを作り上げ、コントロールしています。

種を蒔いたばかりの農場から明日にでも収穫という農場まで見学してまわりました。驚いたのは、水まきはほとんど必要ないという環境だということ。トバ湖がもたらす恩恵で、1年中植物の成育-収穫まで程よい雨量があるとのこと。

琵琶湖の1.7倍の大きさというトバ湖。イメージをつかんでいただけそうな展望台からの動画をご覧ください。
トバ湖:標高1500mの展望台から

自然の雨量で作物が育つわけですから、あとは雑草の除去や、農薬のコントロールなどの品質管理に集中できるのです。

自然環境は安定していて、大根、さつまいも、かぶ(同社第1工場、シランド工場で加工)、小松菜、チンゲン菜、ほうれん草などを栽培しています。「ほうれん草は種を蒔いて約40日で加工できます。日本との違いは赤道に近いことからUVが強いため繊維が強くでやすいことくらいですね」とリチャード社長。味わいは濃い目に出るとのことで、葉物野菜の栽培は野菜ごとにいろいろ工夫を重ねているところ。

現在交代で現地駐在し、現地指導や管理をしている勝美ジャパン製造部の金原永治さん㊧と同部の和田ひかるチーフ㊨です。お二人とも20代の精鋭です。さっそく収穫間近の生育状態をチェック。右は、荒川悟取締役営業部長。インドネシア新工場(ロブシレガー工場)の視察は今回が初とのことです。

「想像していたよりかなり大きな規模でした。良い原料を使い、工場では一直線のラインで製造。品質第一の“無加熱摂取冷凍蒸葉物野菜”として安心して販売できる」と視察の感想を語ってくれました。特にチャイナフリーを要望する得意先に、積極的に提案していく方針です。

写真㊧は、勝美ジャパンとコラボしたメディカル向けの冷凍弁当「勝美御膳」シリーズを製造する茨城の惣菜メーカー、㈱きぬがわやの室井宏司工場長。「新鮮な素材をすぐ加工できる、理想を形にしたような工場でした。新しいロブシレガー工場は一貫ラインで管理し、シランド工場も多品種を製造するラインながら、人手をかけて、きれいな作業をされていました。勝美ジャパンとコミュニケーションを取りながら製造していくことが楽しみになりました」とのこと。


次回は、勝美ジャパンの看板商品、「冷凍蒸大根」などを製造するシランド工場をご紹介します。

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