田中輝ニッスイ次期社長が会見、「世界中の方々に喜ばれる企業へ。ニッスイならではのグローバルリンクスを笑顔のネットワークに」
ニッスイの次期代表取締役社長執行役員最高経営責任者(CEO)に内定した田中輝取締役執行役員水産事業執行(社長就任は5月14日付、現浜田晋吾社長は代表取締訳会長に就任)は、4月23日に都内会議室で社長就任に向けた記者会見を行いました。
「生まれも育ちも東京・新宿。食べることが好きで、東京水産大学(水産学部食品工学科、現東京海洋大学)へ。そしてニッスイに入社(1988年)しました。おそらく昭和時代入社の最後の社長になると思います。趣味は食の探求」と自己紹介。
「友人に手作り握りずしをふるまったり、蕎麦を打ち、パンをこねたり、ベランダで燻製を作ったり」
チリ赴任経験が長いため、ワイン好きになり、「(料理と)ワインで喜びを感じ、週末を過ごします」。また、記者団の質問に答えて、ニッスイ製品で好きなものは「太ちくわ」、「アラスカ産生たらば」とグルメぶりを披露しました。

入社以降のキャリアを説明する中で、特に田中次期社長が「印象に残っていること」として挙げたのは2つ。
一つは、外食産業・ロイヤルへの1年間の出向経験。そしてもう一つは、40歳で赴任したチリのサルモネス・アンタルティカ社(S.A.:サーモン養殖・加工子会社)出向経験です。「外からニッスイを、日本を見る」ことによって得たものは大きかったとして、「社員がそんな経験から成長できるような企業にしたい」と語りました。

ニッスイは4月8日に、2030年長期ビジョン「GOOD FOOD 2030」実現に向けた新中期経営計画「GOOD FOOD Recipe2」(2025~2027)を発表しています。浜田社長から、それを実行する次世代経営陣のリーダーとして抜擢され、「新しい発想と行動力を持つ人財が先導役を務めることが不可欠」(同社長)と新中計達成を託されました。
その意思を受け継いで、「新たな決意で挑戦し、サステナビリティ経営を軸に、世界に誇れる企業へと成長していきます。私は『誠実であること』と『挑戦を楽しむこと』を大切にしており、急激に変化する時代だからこそ、『変わる勇気』と『続ける覚悟』が何より重要と考えています。また、『やめる勇気』も必要」と社長就任の抱負を語りました。また、従業員には、「個人と会社が共に成長できる環境を整え」、取引先や地域社会、株主とは「共感と共創を通じた信頼関係をさらに深め、持続可能な成長を追求します」としました。

田中次期社長は、「私の想いを伝えたい」と前置きして、ニッスイのミッション、長期ビジョンの根幹となる創業理念、社内で『水道理論』として受け継がれている、
「水の水道におけるは、水産物の生産配給における理想である。」
ニッスイの創業理念
に触れ、「入社して37年、心の奥底にあるもの。蛇口をひねるのと同じように、世界中に水産物を届けたいという想いは、ニッスイが培ってきた無形資産、グローバルリンクスにつながっています。ますます、蛇口をひねったら魚が出てくるだけではなく、その蛇口をひねった方が楽しめる、喜べるものが出てくる『水道理論』になっています。そんなことを心がけながら、『新しい“食”』にチャレンジしていきたい」と語りました。令和時代の新・水道理論は、魚がそのまま届くのではなく、「魚をおいしい形にして届けて」世界中の人々に笑顔になってもらうことを目指しています。
今年度の経営方針として掲げたのは、「新たなシナジーを創出し、最大限活用する経営」です。また、目指しているサステナビリティ経営は、「環境・社会・人財・経済の持続性をめざすもの」であることを繰り返し言及し、「世界中の皆さまに安全安心でおいしい食をお届けすることで、笑顔をつなぐ食のリーディングカンパニーを目指します」と語りました。






